研究課題/領域番号 |
23247012
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研究機関 | 国立極地研究所 |
研究代表者 |
伊村 智 国立極地研究所, 研究教育系, 教授 (90221788)
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研究分担者 |
鹿児島 浩 大学共同利用機関法人情報・システム研究機構(新領域融合研究センター及びライフサイ, 新領域融合研究センター, 融合プロジェクト特任研究員 (00550063)
黒沢 則夫 創価大学, 工学部, 教授 (30234602)
大谷 修司 島根大学, 教育学部, 教授 (50185295)
伴 修平 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50238234)
福井 学 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60305414)
星野 保 独立行政法人産業技術総合研究所, その他部局等, 研究チーム長 (60357944)
鈴木 忠 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (90216359)
東條 元昭 大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 准教授 (90254440)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 環境変動 / 極地 / 生態学 / 生物多様性 / 分類学 / 移入種 |
研究概要 |
二年目となる24年度は、コケ坊主を中心とする南極湖沼生態系を構成する真核、原核生物のメタゲノム解析および炭酸固定に関わる機能遺伝子等の解析が進み、コケ坊主内での生物相とそれらによる物質・エネルギー循環系の再構築が進められた。窒素代謝に関する機能遺伝子の解析も進みつつ有り、モデル生態系としての提案に向けた体制が整いつつある。また、水生の菌類の分析が新たに開始され、その多様性や分泌物の意義が検討されている。 コケ植物については、湖沼底だけでなく周辺陸上環境を含めた南極産蘚類に関する分子系統解析が進み、これまで外部形態に基づいて進められてきた多様性の認識が大きく変更される可能性が高まってきた。特にBryum属の蘚類については、複数の未記載種が検出されたほか、分類体系の大幅な変更が必要とされる。 微小動物相については、国際的な共同研究体制により解析が進められており、我々のチームで南極産のセンチュウ、クマムシの多様性、外来種進入の検討を分担することになる。クマムシについては、24年度から雇用した研究員による分析が進められている。 現在の南極湖沼生態系の全体像が明らかになりつつあると同時に、湖底堆積物を用いた古環境変遷解析、生物相変遷の解析の準備が進み、湖沼研究へ時間軸を取り込む試みが行われた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コケ植物、微小動物、バクテリアに関連する研究は順調に進んだが、藻類に関しては分子系統解析をはじめるまでに至らなかった。地衣類に関しては24年末に南極昭和基地周辺から採取されたサンプルが入手できたため、現在解析が進みつつある。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度から分類群毎の具体的な到達目標を設定してそれぞれ解析を進めているが、新体制の成果が具体的に示されるまでに至っていない。今年度はさらに積極的に、掲げた目標の達成に向けて推進する。 研究集会を複数回企画し、直接顔を合わせて研究計画の全体像を議論する場を作る。
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