研究課題/領域番号 |
23247013
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
上田 卓也 東京大学, 新領域創成科学研究科, 教授 (80184927)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 生体外蛋白質合成系 / 膜蛋白質複合体 / リボソーム / リポソーム / フォールディング |
研究概要 |
本研究は、複雑なサブユニット構造を有する蛋白質複合体を再構築型無細胞蛋白質合成系PURE systemを用いて遺伝子から合成することで、複合体の形成過程を試験管内で再現し、その会合メカニズムを明らかにすることを目的としている。平成23年度までに8種のサブユニットから構成される膜蛋白質複合体ATPase(α3β3γεδab2c10)を、リポソーム(LPs)共存下のPURE systemで合成し、活性のある形で合成されることを見いだしている。24年度は、反応条件の最適化を行い、天然型と遜色ない比活性を有するATPaseの合成に成功した。また同じ方法で大腸菌由来のSecYEGトランスロコンについても合成を行いLPs膜上での複合体が形成されたことを確認した。たま、外膜蛋白質であるOmpA前駆体をモデル基質とした膜透過活性の検出に成功した。また、SecYEGの変異体についても同様に合成し、その活性測定からトランスロカーゼ活性に関与する部位を解明することに成功した。このことから、本系は膜蛋白質複合体の形成メカニズムを研究するシステムとしてツールとして汎用性の技術であるということがいえる。また、細胞質の巨大複合体である大腸菌のリボソームの小サブユニット(30S)の会合プロセスについても解析を行った。23種類のリボソーム蛋白質を個別に発現させ精製し、また現在まで生合成に関与していると考えられている因子も別途精製した。rRNAとリボソーム蛋白質は、これらの生合成因子の共存下で活性を有する30Sサブユニットを形成することを見いだした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請した計画のとおりに膜蛋白質複合体とリボソームの合成に成功しているため、順調であると評価される。
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今後の研究の推進方策 |
リボソームの30Sサブユニットの集合過程を明らかにすることを成功しているが、その最適を進めると同時に、50Sサブユニットについても取り組む予定である。
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