研究課題
本年度も昨年度に引き続き、核内受容体の一つであるRARα/RXRαについて、全長受容体と応答配列(DR1, DR5)を含むDNA断片、リガンド(9-cis retinoic acid)からなる複合体を作成し、結晶化スクリーニングを行った。様々な長さと末端の形状を持つDNA断片を使用し、数多くの条件でスクリーニングを試みた。しかし、複合体が不安定なためか、結晶化ドロップの気液界面でタンパク質が変性して膜を形成してしまう問題に直面し、結局、複合体の結晶を得ることには成功しなかった。また、RARα/RXRα のDNA結合ドメインと、応答配列(DR5)を含むDNA断片についても結晶化を試みた。こちらについては幾つかの条件で結晶を得ることができ、大型放射光施設SPring8にて回折実験を行った。結晶の一つについて2Åを切る高分解能の測定データを得たが、解析の結果、インタクトな複合体ではなくDNAが分解してできた不完全な複合体であることが判明し、以降の解析を断念した。また、ERαやNRF1、GRなどのコアクティベーターであることが報告されているPGC1-βについて、ヌクレオソームとの特異的な相互作用を調べるため、大腸菌による発現系を構築し、予想される結合部位を含むフラグメントを精製した。試験管内再構成したヌクレオソームとの相互作用をゲルシフト法により検討したが、アフィニティが低いためか両者の結合を確認することはできなかった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件)
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