研究課題
染色体分配機能に関わるセントロメアの反復DNA領域では、CENP-Aを含むセントロメアクロマチンの集合と共にヘテロクロマチンも集合する。本研究ではこれらクロマチンの集合メカニズム解明を目指して以下の解析を進めた。(1)多様な細胞でのクロマチン形成バランスの解析: 人工染色体前駆体である合成反復DNAをヒトHT1080細胞へ導入するとCENP-Aクロマチンの集合と共にセントロメア機能を備えた人工染色体の形成が起こるが、HeLaや他の多くの株化細胞では強いヘテロクロマチン(ヒストンH3K9me3修飾等)集合活性が導入DNA上への新規CENP-Aクロマチンの集合やセントロメア機能形成を阻害していることを既に明らかにしてきた。ヘテロクロマチン形成と拮抗するヒストンアセチル化酵素(HAT)の結合は、CENP-Aクロマチンの集合を促進し、HeLaや他の多くの株化細胞でもHAC形成を可能にすることを発見した。更に内在セントロメアでもこのHAT複合体はMis18複合体と相互作用してCENP-AをG1初期に補充する機構に関与していることを明らかにした。(2)セントロメア構造形成とヘテロクロマチン構造形成を調節する因子の検索: かずさcDNAライブラリーを利用して多様なtetR融合タンパクを作製し、tetO合成反復配列からなる人工染色体へ結合させ、セントロメア形成に対して負に調節する因子と正に調節する因子のスクリーニングを進め,それぞれ多数候補を得た。これら正、負の調節因子とさらに相互作用する因子をHalo-tag付きかずさcDNA発現ライブラリーからのスクリーニングにより得た。3)クロマチン集合バランスの操作により引き起こされる細胞高次調節機能への影響: CENP-Bと(2)で明らかにされた因子を多数融合させ、セントロメアを限定して調節操作できる細胞株を構築して解析を進めた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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