研究課題
細胞内大規模分解システム・オートファジーは、発生・分化から、がん・神経変性・感染症等の抑制まで多岐に亘る機能を持つ。オートファジーを遂行する膜オルガネラであるオートファゴソームは、他のオルガネラとは異なり常に新たに形成されるが、どこからそれが現れるのか40年来論争の的となってきた。本研究では、応募者が最近見いだした小胞体のオートファゴソーム形成への関与を手がかりに集中的かつ統合的な解析を展開し、オートファジー分野における最大の謎「膜の起源」問題について最終的な決着をつけることを目的とした。平成24年度に、オートファゴソームが小胞体-ミトコンドリア接触点で形成されているという決定的な証拠を得て目的をほぼ達成したので、平成25年度はさらなる解析を行った。その結果、以下の成果を得た。オートファゴソーム形成に必要な膜タンパク質Atg9は、普段はゴルジ体に局在し必要に応じて一過性にオートファゴソーム膜に現れるので、輸送小胞により何かを運んでいる可能性がある。輸送シグナルと思われる配列に変異を導入してAtg9-KO細胞に発現させると、野生型のようにオートファジーを回復できないことが判明したので、その変異Atg9を用いて詳細な解析を行った結果、Atg9が再循環エンドソームを経由することがオートファゴソーム形成に必要であることが判明した。本研究の全ての結果を総合すると、オートファゴソーム形成には、少なくとも3つのオルガネラ、小胞体、ミトコンドリア、再循環エンドソームが関わることが結論される。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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