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2014 年度 実績報告書

Hippoシグナル経路による細胞間コミュニケーションの分子基盤

研究課題

研究課題/領域番号 23247036
研究機関熊本大学

研究代表者

佐々木 洋  大阪大学, 生命機能研究科, 教授 (10211939)

研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2016-03-31
キーワード細胞競合 / 細胞間コミュニケーション / Hippoシグナル / 増殖制御
研究実績の概要

多細胞体の発生では、個々の細胞の挙動が細胞間の接着・接触によるコミュニケーションで制御されることが重要である。本研究では、Hippo経路に着目して、細胞間の接触・接着によるコミュニケーションの分子基盤とその役割を研究し、以下の成果を得た。
1. 線維芽細胞株NIH3T3においてTead活性を操作した細胞を正常細胞と混ぜて培養すると、相対的にTead活性の高い細胞が勝者となり増殖し、活性の低い細胞が敗者となって排除される、細胞競合が起こる。その際、勝者の細胞では転写因子Mycの発現が上昇しており、Tead活性とMycとが協調的に細胞増殖と細胞競合活性とを制御していることを見出した(Mamada,Sato J Cell Sci 2015)。
2. 上皮細胞株MTD1AにおいてEGFPとYapの融合タンパク質を発現する細胞株を作成し、個々の細胞のYapの核移行の変動をライブイメージングで観察したところ、Yapの核移行はダイナミックに変動しているが、時間の経過とともに隣接細胞ではYapの核移行程度がそろうことが分った。すなわち、上皮細胞でも、隣接細胞間ではTead活性を認識し合うコミュニケーションが存在し、Tead活性を協調させる仕組みがあることが分った。
3. MTD1A細胞においてTead活性を増強した細胞(高Tead活性細胞)を作製したところ、正常細胞と共に培養すると高Tead活性細胞の増殖が単独培養時に比べて促進された。また、マウス胚においてもYapを過剰した高Tead活性細胞をモザイク状に作製したところ、高Tead活性細胞が正常細胞よりも活発に増殖した。このことは、隣接細胞間ではTead活性の違いを認識し、Tead活性の高い細胞が優先的に増殖するしくみがあり、それは細胞種によらない普遍的な現象であることを示している。

現在までの達成度 (段落)

27年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

27年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 4件)

  • [雑誌論文] マウス胚線維芽細胞NIH3T3を用いた細胞競合モデル系の確立2016

    • 著者名/発表者名
      竹之下憂祐、加村啓一郎、佐々木洋
    • 雑誌名

      生体の科学

      巻: 67 ページ: 111-115

  • [雑誌論文] Cell competition in mouse NIH3T3 embryonic fibroblasts is controlled by the activity of Tead family proteins and Myc2015

    • 著者名/発表者名
      Mamada H, Sato T, Ota M, Sasaki H.
    • 雑誌名

      J Cell Sci.

      巻: 128 ページ: 790-803

    • DOI

      10.1242/jcs.163675

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] Hippoシグナルによる細胞競合の制御2015

    • 著者名/発表者名
      佐藤卓史、佐々木洋
    • 雑誌名

      実験医学

      巻: 33 ページ: 2920-2925

  • [学会発表] マウス胚由来線維芽細胞NIH3T3における転写因子TeadとMycによる細胞競合2015

    • 著者名/発表者名
      佐々木洋
    • 学会等名
      日本分子生物学会年会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      2015-12-01 – 2015-12-04
    • 招待講演
  • [学会発表] Tead and Myc cooperatively regulates cell competition in mouse NIH3T3 embryonic fibroblasts2015

    • 著者名/発表者名
      Sasaki H
    • 学会等名
      1st International Symposium on Cell Competition,“Cell Competition in Development and Cancer”
    • 発表場所
      京都大学紫蘭会館
    • 年月日
      2015-09-10 – 2015-09-10
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] マウス胚由来線維芽細胞NIH3T3における細胞競合2015

    • 著者名/発表者名
      佐々木洋
    • 学会等名
      日本細胞生物学会
    • 発表場所
      タワーホール船堀(東京都江戸川区)
    • 年月日
      2015-06-30 – 2015-07-02
    • 招待講演
  • [学会発表] Roles of Tead family proteins in cell competition in mouse NIH3T3 embryonic fibroblasts2015

    • 著者名/発表者名
      Sasaki, H.
    • 学会等名
      Keystone Symposium, “The Hippo Pathway: Signaling, Development and Disease”
    • 発表場所
      Taos, New Mexico (USA)
    • 年月日
      2015-05-17 – 2015-05-21
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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