研究概要 |
1.ブタ、ウサギ、スンクス、ゲッコー、スッポン、ポリプテルス,annual fishについて、胚採取条件の整備を進め効率化を図った。クサフグ胚について採取所の保存整備を行った。 2.ブタ、ウサギ、スンクス、ゲッコー、スッポン、ポリプテルス、annual fishについて、ESTライブラリーを確立し、必要な軸・胚葉形成関連遺伝子を同定した。 3.ポリプテルス、annual fish、クサフグについて過剰発現及びモルフォリノによる遺伝子機能の解析技術の整備を図った。 4.マウス胚で各ヘッドオーガナイザー遺伝子に陽性な細胞の挙動の解析を進めた。 5.特にウサギ、スッポン、クサフグについて、軸・胚葉形成関連遺伝子の発現解析をすすめた。ウサギはマウス(げっ歯類)に最も近縁なほ乳動物であるが、マウスのように卵筒胚を形成せず、デスク状の胚を形成する。しかし、Otx2,dkk1,Cer1,Lefty1などヘッドオーガナイザー遺伝子の発現様式は、マウス胚に類似することが明らかになりつつある。また,スッポン胚では鳥胚同様、分子的にはコラーの鎌様構造が形成されることを明らかにした。 6.ポリプテルDioskouroiはカエルSiamoisと同様の機能を持つ事が明らかとなり、これらのオルソログは真骨魚、羊膜類でそれぞれ独立に失われたことが明らかとなった。他方祖先硬骨魚ではDioskouroi/Siamoisオルソログがβカテニンによるオーガナイザー形成と内中胚葉形成を仲立ちしていたのに対し、両棲類ではVegTの獲得によって内中胚葉形成が制御されるようになったと想定される。
|