研究概要 |
1) live imaging によりマウス胚での前後軸形成時の個々の細胞挙動を明らかにした。Otx2、Dkk1のE5.25 での非対称発現の,前後軸形成における役割の解析を進めた。 2) 卵筒形態をとり胚体外外胚葉が胚葉形成に必須の役割を果たすげっ歯類と異なり、デスク形態をとり胚体外外胚葉を形成しないウサギ胚、ブタ胚、スンクス胚で、Nodal、Bmp、Wnt およびOtx2,Dkk1 など一連のhead organizer遺伝子の発現を解析し、その前後軸形成はマウス胚と基本的に同じ機構で起こっていることを明らかにした。 3) 鳥類胚はNodalを前後軸形成期の胚発生に用いないことGata6, Gsc を発現するKoller’s sickle, Vg1, Wnt8を発現するposterior marginal zone によって前後軸形成が明らかとなるなど 真獣類とは異なる発生様式を持つ。他方両者はともに原条を形成しhypoblast 全体がマウスAVEと相同の機能を持つとの特徴を持つ。原条を形成しない爬虫類胚での解析を進め、スッポン胚の前後軸形成は鳥類と多くの類似点をもつが、ゲッコウ胚での前後軸形成は多くの相違点をもつことを明らかにした。 4) 真獣類型とは虫類型軸形成の起源、祖先羊膜類の軸形成機構を推測するため、有袋類Gray Short-tailed Opossumコロニーを確立し、その軸形成過程の解析を始めた。 5) ポリプテルス胚でのSiamois, VegT を介する発生機構の解析を進め、条鰭類と肉鰭類の祖先型胚葉形成の解明を進めた。 嚢胚形成前に胚を構成する細胞がすべて分散し冬眠するという特徴を持つAnnual fish で オーガナイザー形成に関わる細胞の挙動を明らかにした。
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