研究課題/領域番号 |
23247038
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
橋本 哲男 筑波大学, 生命環境系, 教授 (50208451)
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研究分担者 |
稲垣 祐司 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50387958)
奈良 武司 順天堂大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40276473)
飯田 慶 独立行政法人理化学研究所, 生命情報基盤研究部門, 研究員 (00387961)
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キーワード | 機能進化 / イントロン / スプライセオソーム / Giardia |
研究概要 |
前駆体mRNA(pre-mRNA)中のイントロンとそれを切り出すスプライセオソームは、真核生物ゲノムの遺伝情報の発現を司る「要」の1つであり、真核生物成立とその後の細胞進化に大きな影響を与えた可能性が高い。しかし、これまでスプライセオソームは限られた生物種だけで研究されてきたため、全体像の理解は進んでいない。本研究では原始的真核生物の一候補であるGiardiaのゲノムに発見されたtransスプライシングにより切り出される新型『分割イントロン』に注目し、Giardiaゲノム中での分割イントロンの分布、スプライセオソーム構成因子の全容解明を行うことを目的としている。さらに、スプライセオソームの構成因子レパートリーをGiardiaと他の真核生物間で比較することで、真核生物スプライセオソーム構成因子と機能に関する共通・普遍性と、例外・特異性の解明を目指している。 H23年度はまずGiardiaの培養条件とgDNA、mRNAを効率よく抽出するための条件を検討した。 次に配列相同性検索と5’ RACE(rapid amplification of cDNA ends)解析の結果を合わせることで、ゲノムデータ中の分割イントロンを探索した結果、新たに2つの分割イントロンを発見した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たに分割イントロンを発見することができ、既存の網羅的発現遺伝子(EST)のテータとゲノム配列データの比較により通常・分割イントロンを探索する方法も確立することができたため、順調に進展していると考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
来年度もESTのテータとゲノム配列データの比較により通常・分割イントロンを探索を行う予定であるが、既存のESTデータでは発現していない遺伝子が存在する可能性がある。そこで、シスト化を誘導したり熱ショックを与えたりすることにより発現プロファイルの異なるESTデータを得て解析を進める必要があると考えている。 分割イントロンのスプライシングに必要となるスプライセオソーム側の因子を特定するためには、生化学的にスプライセオソームを分析し分割イントロンをもたずオルタナティブスプライシングを行わないヒト、酵母などのスプライセオソームとの比較を行う必要がある。この方向での実験を来年度以降進めていく必要がある。
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