研究課題/領域番号 |
23247041
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
荻原 直道 慶應義塾大学, 理工学部, 准教授 (70324605)
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研究分担者 |
中村 俊康 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70265859)
名倉 武雄 慶應義塾大学, 医学部, 准教授 (90306746)
細田 耕 大阪大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (10252610)
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キーワード | 足圧分布 / 足部動態 / 二足歩行 / 不整地 / 進化 |
研究概要 |
本年度は、ヒトの実二足歩行中に足裏に作用する3方向の分布荷重と足部の機能的変形のメカニズムを実験的に明らかにするための足裏分布剪断力測定センサシステムを製作した。具体的には、一辺30mmの小型3軸ロードセル(力センサ)を製作し、それを多数床面に配置することで二足歩行時に足裏に作用する鉛直・剪断方向の床反力の分布を計測することを可能とした。次年度はこれを用いて、具体的にヒトの実二足歩行中に足裏に作用する3方向の分布荷重を計測する予定である。また、二足歩行中の足部の機能的変形を非侵襲的に詳細に計測することを試みた。具体的には、足部の解剖学的特徴点に反射マーカーを貼付し、反射マーカー式モーションキャプチャシステムによりその3次元座標の時間変化を計測した。そしてヒトの足部は距骨踵骨部、中足骨部、指部の3節の剛体に近似できると仮定して節間の相対角度を求めることで歩行中の足部動態を定量化した。被験者2名について提案した計測手法により平地・不整地歩行中の足部の3次元動態を定量化した結果、ヒト二足歩行中の足部動態変化を定量的に明らかにすることが可能となった。さらに、ヒトの二足歩行では下肢3節の節仰角の3次元プロットが平面上に乗るという強い平面拘束が観察され、歩行制御の単純化と密接に関係すると考えられているが、こうした平面拘束の発現にはヒトに特徴的な足部の筋骨格構造が大きく寄与していることを明らかにした。常習的直立二足歩行の進化にヒトの足部形態が強く寄与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画が予定通り遂行できているばかりではなく、下肢3節の節仰角の3次元プロットが平面上に乗るというヒトの歩行の平面拘束について新知見が得られたから。
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今後の研究の推進方策 |
構築した足裏分布剪断力測定センサシステムを用いて、ヒトの実二足歩行中に足裏に作用する3方向の分布荷重を計測し、足部と床面との相互作用のメカニズムを明らかにする。
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