研究課題/領域番号 |
23247045
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
佐伯 茂 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60211926)
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研究分担者 |
曽根 良昭 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60145802)
西川 禎一 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60183539)
羽生 大記 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (40301428)
由田 克士 大阪市立大学, 大学院生活科学研究科, 教授 (60299245)
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キーワード | サーカディアンリズム / 体内時計 |
研究概要 |
ヒトの多くの生理現象は約24時間のサーカディアンリズムを有し、体内時計で制御されている。体内時計は人類の進化と共に確立された制御システムであるが、文明の発達に伴う環境変化により、体内時計は環境シグナルに応答して環境情報を生体内に伝達し、生体の環境適応能を制御する。体内時計に狂いが生じている。例えば、人工照明、夜間労働、時差を越える東西移動はサーカディアンリズム(概日リズム)を狂わせる。このようなことから、先進国でメタボリック症候群が急激に増加している原因の一つに、体内時計の撹乱が示唆されている。1970年代、実験動物の視交叉上核を破壊すると行動やホルモンのリズムが消失したことから、哺乳類では視交叉上核が体内時計の座であることを見いだした。実際に、視床下部を薬物や電気的に破壊した実験動物や時 計遺伝子欠損マウスではサーカディアンリズムが変調し、過食・肥満が発症する。しかし、視交叉上核を破壊したラットに、人為的に一定時刻に食事を与えるとサーカディアンリズムが回復する。これらのことは、体内時計は光環境に応答して食事(栄養素)の代謝を制御することを示唆する。一方で、食事も体内時計を制御する重要な環境シグナルであり、光環境に応答する体内時計は食事によって修飾され、光環境と食事環境の相互作用によって生体センサーが作動し、体内時計を制御することを示唆する。本研究では、5週齢のSDラットに、タンパク質源として動物性蛋白質(カゼイン)又は植物性蛋白質(大豆)を含む精製飼料を与え、自由摂取飲水、12時間明暗サイクルで3週間飼育した。飼育3週間目のZT0、ZT4、ZT8、ZT12、ZT16、ZT20、ZT24に麻酔下で臓器を摘出し、摂取栄養素によって遺伝子発現量が変動する複数の遺伝子を同定した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請者らは、異なる種類の栄養素を実験動物に投与し、栄養素の代謝に関与する遺伝子の発現量のサーカディアンリズムが、栄養素に応答して変化することを明らかにすることができた。
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今後の研究の推進方策 |
メタボリウック症候群を発症する実験動物でも,栄養素の代謝に関与する遺伝子の発現量のサーカディアンリズムが、栄養素に応答して変化するかについても検討したいと考えている。
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