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2011 年度 実績報告書

形質QTLと発現QTLデータの融合による穂形成の遺伝子ネットワーク構築

研究課題

研究課題/領域番号 23248002
研究機関名古屋大学

研究代表者

松岡 信  名古屋大学, 生物機能開発利用研究センター, 教授 (00270992)

キーワード育種学 / 遺伝学 / 遺伝子 / 植物
研究概要

本研究の目的は、イネ穂構造の分子機構総括的に理解することである。イネの穂構造についてはこれまでに様々な研究が行われており、最近は、QTL解析により穂構造関連遺伝子が単離されている。本研究では、穂構造に関する形質QTLと、マイクロアレイによる穂形成時のイネ全遺伝子の発現QTLを行い、形質と発現QTLを統合することで、穂構造に関与する遺伝子群を網羅的に抽出し、穂形成の遺伝子ネットワークを構築することを試みる。本年度は、形質QTLと発現QTLの融合により、実際効率的にQTL遺伝子が単離出来るか否かについて、評価が簡単な初期生育に関わるQTL遺伝子を事例として試みた。その結果、発現QTL解析を用いて、初期生育を促進するQTL、qEPD2、の領域内に45個の候補遺伝子を絞り込むことに成功した。さらに、この中からOsGA20ox1がqEPD2に対応する可能性を想定し、コシヒカリ由来のOsGA20ox1ゲノム断片をSL^<qEPD2>に導入した形質転換体は、草丈の伸長が見られるが、ババタキ由来のOsGA20ox1は有意な伸長効果が見られないことをつきとめた。以上結果から、OsGA20ox1は初期生育に関わる重要な遺伝子であることが示されると同時に、QTLマッピングとマイクロアレイ解析を併用することでQTLの候補遺伝子を効率よく絞り込むことが可能であり、本方法が短時間でQTL領域の遺伝子を絞り込む有効な手段であることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

本課題の最大の課題である、形質QTLと発現QTLの融合により、実際効率的にQTL遺伝子が単離出来るか否かについて、評価が簡単な初期生育に関わるQTL遺伝子を事例として試み実際に本手法が実際に有効であることを示した。

今後の研究の推進方策

本手法が有効であることが示されたので、本研究の本来の目的である穂構造に関する形質QTLと、マイクロアレイによる穂形成時のイネ全遺伝子の発現QTLを行い、形質と発現QTLを統合することで、穂構造に関与する遺伝子群を網羅的に抽出し、穂形成の遺伝子ネットワークを構築することを試みることに邁進する。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2012 2011

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] The role of QTLs in the breeding of high-yielding rice2011

    • 著者名/発表者名
      Miura K, Ashikari M, Matsuoka M.
    • 雑誌名

      Trends Plant Sci.

      巻: 16, (6) ページ: 319-326

    • DOI

      10.1016/j.tplants.2011.02.009

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Artificial selection for a green revolution gene during japonica rice domestication2011

    • 著者名/発表者名
      Asano, K., Yamasaki, M., Taku, S., Miur,a K., Katagir,i S., Ito, T., Do, K., Wu, J., Ebana, K., Matsumoto, T., Innan, H., Kitano, H., Ashikari, M., Matsuoka, M.
    • 雑誌名

      Proc. Natl .Acad. Sci. U S A

      巻: 108, (27) ページ: 11034-11039

    • DOI

      10.1073/pnas.1019490108

    • 査読あり
  • [雑誌論文] OsCAD2 is the major CAD gene responsible for monolignol biosynthesis in rice culm2011

    • 著者名/発表者名
      Hirano, K., Aya, K., Kondo, M., Okuno, A., Morinaka, Y., Matsuoka, M.
    • 雑誌名

      Plant Cell Rep.

      巻: 31,(1) ページ: 91-101

    • DOI

      10.1007/s00299-011-1142-7

    • 査読あり
  • [学会発表] マイクロアレイとQTLマッピングを組み合わせたイネの初期成長性に関するQTLの同定2012

    • 著者名/発表者名
      矢野憲司
    • 学会等名
      日本育種学会第121回講演会
    • 発表場所
      宇都宮大学(茨城県)
    • 年月日
      2012-03-29
  • [学会発表] 長穂性イネ系統を用いた穂形質に関するQTL解析2011

    • 著者名/発表者名
      安藤考紀
    • 学会等名
      日本育種学会第120回講演会
    • 発表場所
      福井県立大学(福井県)
    • 年月日
      2011-09-23
  • [学会発表] New approach for enhancing the lodging resistance-beyond the sd1 mutation-2011

    • 著者名/発表者名
      Matsuoka M
    • 学会等名
      2th GCCI 2011
    • 発表場所
      華中農業大学(Wuhan, CHINA)(招待講演)
    • 年月日
      2011-07-06

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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