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2013 年度 実績報告書

トマト研究基盤を活用した植物寄生に伴う組織接続機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 23248005
研究機関大阪府立大学

研究代表者

青木 考  大阪府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (30344021)

研究分担者 矢野 健太郎  明治大学, 農学部, 准教授 (00446543)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード寄生植物 / Orobanche aegyptiaca / Cuscuta japonica / 高速シークエンサー
研究概要

平成25年度の本研究においては、まず寄主トマト(品種マイクロトム)のゲノム配列解析とデータベース作成を行い、これを論文化した。Cuscuta japonicaのホウセンカへの寄生部位で発現しているC.japonica、ホウセンカ双方の遺伝子に関してこれまでとは異なるアセンブルソフトウェアを用いて改めて遺伝子配列の構築を行った。その結果、構築配列長さがこれまでより長くなりC.japonicaについて約6万、ホウセンカについて約2万の配列にまとめられた。複合生物系からのRNA-Seqとしては初めての試みと思われるリードが異種側へマッピングングされるエラーの起こる確率についても定量的に評価した。C.japonica とダイズの寄生系については、時系列RNA-Seqに着手した。茎に接触させた時点、そこから24時間、48時間の3時点についてRNA-Seqデータを取得した。根寄生植物Orobanche aegyptiacaに関しては、寄主トマト側でのオーキシン応答性遺伝子の発現増加に注目し、オーキシン蓄積状況を調べるためオーキシン応答性プロモーターにより蛍光タンパク質を発現するDR5::YFPトマトを利用することにより、O aegyptiaca寄生時のオーキシン分布を観測する試みに着手し、予備的な画像取得を行なった。またO. aegyptiaca遺伝子の機能解析を行うための形質転換系作成の第一歩として、液体培養系の確立に着手した。この液体培養系ではtubercleをin vitroで増殖できるため、切片作製用サンプルの取得も開始している。東北大学西谷教授、山口大学松井教授らとともに、C. japonica研究のワークショップを日本植物生理学会関連集会として開催した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

昨年度は遅れを取り戻すことができ遺伝子発現プロフィールの解析まで進めることができたが、遺伝子発現が明らかになってから遺伝子の機能解析に進む段階で、形質転換体作出などに遅れが出ている。C.japonicaトランスクリプトーム論文を現在準備中であり、これは当初予定通り。

今後の研究の推進方策

今後は、寄生植物と宿主植物について組織接続に関連があると考えられる遺伝子に関して、機能抑制あるいは過剰発現などの手法を用いて機能検証を進める。問題点としては、寄生植物に対する形質転換手法が確立されていないことが挙げられる。対応策としては、一例のみ報告のあるO. aegyptiacaの液体培養形質転換系を再現することを計画している。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (7件)

  • [雑誌論文] Genome-wide analysis of intraspecific DNA polymorphism in ‘Micro-Tom’, a model cultivar of tomato (Solanum lycopersicum).2014

    • 著者名/発表者名
      Kobayashi M, Nagasaki N, Garcia V, Just D, Bres C, Mauxion JP, Le Paslier MC, Brunel D, Suda K, Minakuchi Y, Toyoda A, Fujiyama A, Toyoshima H, Suzuki T, Igarashi K, Rothan C, Kaminuma E, Nakamura Y, Yano K, Aoki K.
    • 雑誌名

      Plant and Cell Physiology

      巻: 55 ページ: 445-454

    • DOI

      10.1093/pcp/pct181

    • 査読あり / 謝辞記載あり
  • [学会発表] Transcriptome analysis of plant-plant connecting site of stem parasite Cuscuta japonica and its host Impatiens balsamina.

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ikeue, Ayaka Nakano, Yoshiyuki Ogata, Koh Aoki
    • 学会等名
      The 3rd International Conference on Plant Vascular Biology
    • 発表場所
      Helsinki
  • [学会発表] Plant-Plant Interaction between Root Parasite Orobanche aegyptiaca and Its Host Solanum lycopersicum cv Micro-Tom

    • 著者名/発表者名
      Ayaka Nakano, Daisuke Ikeue, Yoshiyuki Ogata, Koh Aoki
    • 学会等名
      The 3rd International Conference on Plant Vascular Biology
    • 発表場所
      Helsinki
  • [学会発表] Transcriptome analysis of Solanum lycopersicum cv Micro-Tom in response to parasitization by root parasitic plant Orobanche aegyptiaca

    • 著者名/発表者名
      Koh Aoki, Ayaka Nakano, Daisuke Ikeue, Yoshiyuki Ogata
    • 学会等名
      The 10th Solanaceae Conference
    • 発表場所
      北京
  • [学会発表] 茎寄生植物ネナシカズラの寄生部位における遺伝子発現解析

    • 著者名/発表者名
      青木考、池上大輔、中野綾香、尾形善之
    • 学会等名
      第36回日本分子生物学会
    • 発表場所
      神戸
  • [学会発表] 近縁種を用いたネナシカズラ寄生部位における寄生・宿主植物リードの区別

    • 著者名/発表者名
      池上大輔、尾形善之、青木考
    • 学会等名
      生物情報科学若手の会第5回研究会
    • 発表場所
      千葉
  • [学会発表] ネナシカズラ(Cuscuta japonica)のトランスクリプトームde novo アセンブリ

    • 著者名/発表者名
      池上大輔、青木考
    • 学会等名
      日本植物生理学会年会ワークショップ「茎寄生植物ネナシカズラ研究事始め」―これからネナシカズラの研究を始める方のために―
    • 発表場所
      富山
  • [学会発表] Transcriptome analysis of Cuscuta japonica in the parasitic site to its host

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Ikeue, Yoshiyuki Ogata, Koh Aoki.
    • 学会等名
      第55回日本植物生理学会年会
    • 発表場所
      富山

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公開日: 2015-05-28  

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