研究課題
平成26年度の本研究においては、いろいろな植物のトランスクリプトームを解析するためのバイオインフォマティクス的基盤の構築、茎寄生植物Cuscuta japonicaのダイズでの寄生部位RNA-Seqデータの精査、時系列的に段階特異的に発現している遺伝子の同定、根寄生植物Orobanche aegyptiacaの液体培養における組織形成と寄生能分化の解析を行なった。Cuscuta japonicaのダイズへの寄生系については、時系列RNA-Seqデータの詳細な解析を実施した。茎に接触させた時点から24時間、48時間、72時間、96時間、120時間の5時点について奈良先端大学院大学植物グローバル教育プログラムの支援もたまわり各時点3反復のRNA-Seqデータを取得した。ネナシカズラの寄生根は472時間で髄に侵入するが、96時間目で形成層の位置まで戻って維管束と接続するようだ。ネナシカズラ-ホウセンカの系で開発したRead Classification法によって寄生部位のネナシカズラ、ダイズそれぞれに由来するリードを区別し、寄生部位で発現している遺伝子の段階別解析を行なった。寄生植物において寄生部位の寄生植物、寄主植物同時解析の初めての例である。細胞壁修飾に関わる遺伝子群(糖分解酵素、エクスパンシン等)や維管束接続にかかわる遺伝子群(VND遺伝子やTDIF等)は、ネナシカズラとダイズで異なる時間帯に、しかし生化学的に整合性のある順序で発現していた。これらの例から、寄生側寄主側での遺伝子発現の協調性を調べることが可能となったといえる。根寄生植物Orobanche aegyptiacaに関しては、液体培養系でトマト根への寄生能をもたないカルス状組織と、寄生能をもつ根状組織に分かることを見出し、それぞれの組織の細胞形態を詳細に観察した。以上の成果をもとに3編の論文を発表した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (5件) 備考 (1件)
Plant and Cell Physiology
巻: 56 ページ: e9
10.1093/pcp/pcu188
Plant Methods
巻: 11 ページ: 印刷中
巻: 55 ページ: 445-454
10.1093/pcp/pct181
http://www.kohaokilab.com/