研究課題
本課題では、プロトンポンプと亜鉛輸送体に着目し個別輸送体の特性と輸送体間の協調的な調節機能の解明に努めた。とくに、液胞膜亜鉛輸送体MTP1に注目して、MTP1の特徴的アミノ酸30残基の生化学的機能の解明(FEBS J., 2012)、MTPのHis領域の分子構造の生化学的な構造と亜鉛結合性の定量・定性的研究(FEBS Open Bio, 2013)、植物における亜鉛過剰と鉄欠乏症での輸送系タンパク質の変動に関する生化学的関連性の解明(Plant Physiol., 2011)、液胞膜H+-PPaseの第二の機能(PPi加水分解;第一の昨日はプロトン能動輸送)の重要性(Plant Cell, 2011; Plant Signal. Behav., 2012)、H+-PPaseとホスファチジルイノシトールリン酸との相互作用(Plant Cell, 2013)等の成果をまとめ発表した。H+-PPaseの個別アミノ酸の機能上の評価(投稿準備中)、さらに、生化学的機能を維持したGFP付H+-PPaseを自プロモータで発現させることで、生理的条件をすなおに反映したH+-PPaseの可視化に成功し、世界の研究者が望む理想的な液胞膜可視化を達成することができた(論文改訂中)。GFP付H+-PPaseによる可視化によって、金属イオンの種類や濃度が変化するとき、H+-PPaseの細胞内局在の詳細を生きた細胞でのリアルタイム観察が可能となる。この他、H+-PPaseの機能に関して、基質濃度によって、基質加水分解とプロトン能動輸送の共役関係が変化するとの予備知見も得ることができた。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (8件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (2件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)
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