研究課題
基盤研究(A)
ラットの味覚異常の原因の一つに亜鉛酵素の炭酸脱水酵素(CA)の低下があることを明らかにしてきた。この研究では、食餌亜鉛によって味覚異常と食欲不振が回復する機構を探った。摂食障害の正常化機構については、腸粘膜における亜鉛センサーとして亜鉛トランスポーター「ZIP4」あるいはGPR39が関与している可能性もある。検討の結果、CAの活性化は、ZnTを介した何らかの特異的な亜鉛輸送機構により制御されていることが明らかとなった。また、耳下腺唾液中の炭酸脱水酵素(CA)Ⅵ型(Gustin)が味覚異常患者では少なくなっていることを証明した。これらの結果は、臨床適用にとっても極めて有効な成果となった。
農芸化学、食品科学