研究分担者 |
荻原 勲 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (80204113)
南石 晃明 九州大学, 大学院・農学研究院, 教授 (40355467)
星 岳彦 東海大学, 開発工学部, 教授 (80219162)
植竹 照雄 東京農工大学, 大学院・農学研究院, 教授 (10168619)
岡山 毅 茨城大学, 農学部, 准教授 (90575226)
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研究概要 |
本研究では,判断プロセスの記録,データベースカテゴリ,知農ロボット機能カテゴリの三つのタスクフォースを設置し,篤農家(本庄精密農法研究会所属)と守秘義務契約を結んだ。 主な研究成果は次の通りである。 ○ 判断プロセスの記録(南石,星,澁澤,荻原,岡山) 判断の場あるいは背景・文脈状況を整理した。技術環境を「ITを活用した農業技術の新技術と展開」(澁澤)としてとりまとめ,利潤と栽培の動機を統一したコミュニティベース精密農モデルを整理した(澁澤)。「農作業情報自動計測と営農可視化システム」(南石)および「施設植物生産の情報化を推進するプラットホーム」の視座から,判断プロセス記録のスキームを整理した。篤農家との守秘義務契約を行い(澁澤,南石,星),ヒアリング計画を立てた。 ○ データベースカテゴリ(星,植竹,荻原,南石,澁澤) 「施設植物生産におけるユビキタスセンシングとコントロール」(星)および「農業イノベーションとクラウドサービス」(南石)の事例研究を通じて,農業者の判断ニーズからみたデータ・情報の類型を整理した。 ○ 知農ロボット機能カテゴリ(澁澤,岡山,佐々木,植竹) 「An Idea of Agro-wisdom Robotics for Precision Agriculture」(澁澤)において精密農業の枠組みで期待される知農ロボットスキームの機能カテゴリを提案した。「Detection of the Intention from Gestures of Workers for a kansei Agri-Robot」において感性コミュニケーションの技術要素を整理した。「適熟果を収穫するための訓練グッズおよび食べ頃時期チェックグッズの開発」(荻原)を通して,機能カテゴリを整理した。熟練農家を念頭においた「アイカメラによる注視状態観測と熟練度の相関」(植竹)の観測実験システムを作成した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知農ロボットスキーム構築のため,を課題とするタスクフォースを組織し,また,篤農家あるいは勉強熱心で先準経営を実施している農業者の判断・作業を解読・再現するという共通の目標を共有した。分担課題に関する研究成果の取り纏めとして論文発表および学会発表の実績があがりつつあり,おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通り,判断プロセスの記録手法,データベースカテゴリの構築法,知農ロボット機能カテゴリの構築の三つのタスクフォースの研究活動を推進し,研究分担者の研究成果を集約するためのセミナーを開催する。 篤農家のヒアリングには,共通する言葉や共感できる仕草が必ずしも完備している訳ではないので,特段の困難が予想される。そのため,篤農家と本研究組織との交流の場を設け,相互理解を促進する用語解説を準備する。 選果・収穫ロボットの第一人者である近藤 直氏(京都大・教授,承諾済み)を加え,農業者の動作シミュレータ解析を強化し,知農ロボット機能カテゴリの具体的な整理をする。
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