研究課題/領域番号 |
23248043
|
研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
澁澤 栄 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50149465)
|
研究分担者 |
植竹 照雄 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (10168619)
南石 晃明 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40355467)
佐々木 豊 東京農業大学, 地域環境科学部, 准教授 (60313508)
荻原 勲 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (80204113)
星 岳彦 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (80219162)
岡山 毅 茨城大学, 農学部, 准教授 (90575226)
近藤 直 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (20183353)
|
研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
|
キーワード | 知識処理 / 農作業情報 / データベース / 判断文脈 |
研究概要 |
知農ロボットシステムの構想を具体化するため,農業ロボット研究の第一線で活躍している近藤 直(京都大学)を研究分担者に加え「知農ロボットカテゴリ」タスクフォースを強化した。IT企業の富士通やNECと技術交流を進め、また、本庄精密農法研究会や農業法人との連携を深めた。主な研究成果は次の通りである。 ○判断プロセスの記録(南石,星,澁澤,荻原,岡山):昨年に続き,作物栽培の重要な管理点の抽出と農作業データ収集およびプロ農業者へのヒアリングを実施した。分担者の南石と星は,「農匠ナビ」プロジェクトに関連して収録した農作業データに対して管理点の整理を行った。澁澤と荻原は,都市型先進植物工場におけるブルーベリー栽培管理およびプロ農業者の温室トマト栽培作業の管理点と農作業判断の文脈構成に関するヒアリングを実施した。 ○データベースカテゴリ(星,植竹,荻原,南石,澁澤):昨年に続き,星と南石は,農業情報データベース構造の利用者依存性について検討を加えた。澁澤と荻原及び星と南石による農作業判断プロセスの作業仮説を受け,判断ニーズからみたデータ・情報の文脈構成を整理した。植竹は、農作業安全仮説をもうけ,特に注視行動に着目したデータベースの特性や機能を検討した。 ○知農ロボット機能カテゴリ(澁澤,近藤,岡山,佐々木,植竹):昨年に引き続き,知農ロボットシステムの機能カテゴリ仮説を実証的に検討した。ここでは三つの検証アプローチを実施した。ひとつは,機構と通信・情報システムから提起されるカテゴリで,感性ロボット構想をもつ佐々木と論理会話の研究実績のたる岡山が解析した。人間の負荷あるいは快適性の視座から,協調・同伴作業をする知農ロボットスキームは,人間工学の素養をもつ植竹が担当した。農業ロボット作業体系および利潤動機と栽培科学の両視座から求められる知農ロボットスキームは,澁澤と近藤が担当した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
知農ロボット機能カテゴリのタスクフォースを強化するため、第一線の農業ロボット研究者を分担者に加え、農業ロボット研究の到達点と課題を整理した。篤農家および熱心な農業法人を協力者に加え、農作業の判断プロセスの記録と判読に協力を得た。分担課題に関する研究成果の取り纏めとして論文発表および学会発表の実績があがりつつあり,おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
当初計画通り,判断プロセスの記録手法,データベースカテゴリの構築法,知農ロボット機能カテゴリの構築の三つのタスクフォースの研究活動を推進し,研究分担者の研究成果を集約するためのセミナーを開催する。最終年度として、研究成果のとりまとめを行う。 本研究では、農作業プロセスに力点を置いた知農ロボットシステムの課題と解法を焦点に進めてきた。その結果、対象とする知識・技能や情報・データが複雑で多岐にわたり、かつ空間的にも時間的にも階層構造をもっていることが見えてきた。改めて、統合農業知に関するユーザーイノベーションの学術領域創出も念頭においた課題展開を進める。
|