研究課題
急性ならびに慢性ストレスにより家畜の生産性は著しく低下することが知られている。したがって、その制御機構と軽減方法の解明が求められている。ニワトリヒナにおける単離ストレスは、活動量亢進を引き起す。トリプトファン (TRP)の代謝産物のひとつであるキヌレン酸 (KYNA)に鎮静・催眠効果を確認したので、その作用機序を解明することとした。特に、α7nicotinic acetylcholine (α7nACh) 受容体ならびにN-methyl-D-aspartate (NMDA) 受容体に注目した。単離ストレス下のニワトリヒナの脳内において、KYNAはα7nACh受容体とNMDA受容体(NR1A, NR2B)を介して効果を発現する可能性が示唆された。L-リシンの代謝産物であるL-ピペコリン酸に関しては、その作用がNMDA受容体を介さないことが明らかとなった。L-およびD-アスパラギン酸の効果が、NMDA型グルタミン酸受容体を介するのか否かを調査した。その結果、L-アスパラギン酸はNMDA型グルタミン酸受容体を介して機能するが、D-アスパラギン酸の作用はNMDA型グルタミン酸受容体以外の受容体も同時に関与している可能性が示唆された。D-アスパラギン酸の経口投与により、体温を低下させる効果が認められた。このD-アスパラギン酸の効果は暑熱ストレス下においても確認された。脂肪酸の一つであるラウリン酸を結合させたラウロイル-L-アスパラギン酸とラウロイル-D-アスパラギン酸を経口投与したところ、摂食を抑制することが判明した。また、ラウロイル-L-アスパラギン酸のみに体温低下作用を認めた。脂肪酸を結合することによりL-アスパラギン酸に新たな機能が加わることが明らかとなった。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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