研究課題/領域番号 |
23248055
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
縄田 栄治 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (30144348)
|
研究分担者 |
矢内 純太 京都府立大学, 生命環境科学研究科(系), 教授 (00273491)
山本 宗立 鹿児島大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20528989)
坂本 正弘 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 講師 (40303870)
間藤 徹 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50157393)
樋口 浩和 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (50303871)
赤松 美紀 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (70183134)
神崎 護 京都大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70183291)
|
研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2016-03-31
|
キーワード | 農業システム / 持続性 / 農業商業化 / 生態系機能 / 環境負荷 / 熱帯アジア / 熱帯アフリカ / 伝統的技術 |
研究概要 |
1. 地域による農業の商業化進行度の差異の分析と問題点抽出: アフリカ班・アジア班とも、広域調査地の農業統計及び都市人口の推移、森林面積及び農地面積の推移の推定・分析を続行し、農業商業化の進行程度の国レベルでの推定を進めた。また、詳細調査地(タイ北部チェンマイ県、タイ中部ラッブリ県、ロッブリ県、サラブリ県、タイ東部チャンタブリ県、ミャンマー中部サガイン管区、ラオス北部ルアンパバン県)については、地域レベルの農業商業化の進行度の推定を行った。タイ北部では、作物の種類が土壌侵食量に及ぼす影響の実測を行い、作物による大きな差異が認められないことを明らかにした。タイ中部ロッブリ県、サラブリ県では、農業生態系の機能解析のため、100軒弱のトウモロコシ農家を選定し、経営分析を行った結果、トウモロコシ農家は、比較的、技術力に差異がなく、均質な栽培・経営を行っていることを明らかにした。タイ東部チャンタブリ県では、果樹農家で調査を行い、非常に巧緻な栽培技術体系が成立していることを明らかにした。ミャンマーのドライゾーンの一画を占めるサガイン管区の南部で調査を行い、この地域の農家が、非常に厳しい環境下で、複数の作物を植えて、危険を回避し、年変動の大きい降雨に対して、技術的に適応していることを明らかにした。 2. 農業生産システム持続性評価法の開発: 開発評価班のモデル開発・評価グループがキャッサバ、トウモロコシ生産力モデルについて確認作業を行い、タイ東北部(キャッサバ)及びタイ中部・北部(トウモロコシ)での生産力推定のために開発したモデルを、他地域で適用できることを明らかにした。また、アフリカの日単位の気象データについては、測定点が少なく、また、入手も困難であることが判明したため、少数の測定点から面的推定を行う方法を適用することを確認した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
どのグループも、多少の遅滞はあるものの、概ね、順調に進んでいる。特にアフリカ班では、気象データの入手が少し遅れているが、気象データについては、少数の測定点のデータから推定する方法を用いることによって、問題解決は可能である。詳細調査地における調査は順調に進んでいる。
|
今後の研究の推進方策 |
現在の所、顕著な問題はないが、昨年度述べた通り、長期滞在の人材が得られなかったため、ベトナムでの詳細調査地域の設定は断念した。その代わりに、近年、急速な経済発展が見られ、同様に自給作物の商品作物への転換が著しいミャンマー中部、近年のバンコクの大発展による質的変化の著しい、古くからの園芸地帯であるタイ中部デルタ地域のラッブリ県、果樹の大産地が形成されている、タイ東部のチャンタブリ県を、新たな詳細調査地として加えている。また、好適な共同研究者が得られれば、近年、経済発展の著しい、バングラデシュのデルタ地域を詳細調査地として加える予定である。
|