研究概要 |
1) C57/black6系統マウスの腹腔マクロファージにおいて異所性発現系で見られたのと同じような過酸化水素による温度依存性細胞内Ca2+濃度上昇の感作が起こることを観察し、それがTRPM2欠損腹腔マクロファージでは起こらないことを確認した。 2) サイトカイン産生および放出能をELIZA法で解析し、ザイモサン投与後にG-CSF, CXCL2, IL-1αについて野生型腹腔マクロファージと比較してTRPM2欠損腹腔マクロファージで有意に減少していることを見いだした。CCL2, IL-1β, TNFαには差がなかった。 3) 36.9度で過酸化水素30mM添加で細胞内Ca2+濃度が有意に増加すること、温度を38.2度にあげるとさらに増加することがわかった。 4) ザイモサンの貪食能が野生型腹腔マクロファージでのみ1.5度の温度上昇で有意に増加することがわかった。 5) マウスに細菌感染させて生存率をみた実験と種々の臓器で増殖した菌体数を解析した実験では、野生型マウスとTRPM2欠損マウスで有意な差を観察することができなかった。
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