研究概要 |
CpGアイランド(CGI)は、哺乳類では,転写開始点付近に集中的に局在している。ES細胞を用いたゲノムワイド解析から、1kb以上の長いCGIはDNAメチル化を受けづらく、エピジェネティック制御因子のひとつであるポリコム群による制御を受け易い一方、短いCGI(特に0,5kb以下)は軽度のDNAメル化を受け、メチル化依存的な制御を受ける。これらの観察は,CGIがエピジェネティック制御のためのプラットフォームとなっていること、そして、その長さやDNAメチル化状態がエピジェネティック制御の選択性を決定する因子となっている可能性を示している。本研究では,CGIがどのように認識されてポリコム群による抑制クロマチンを樹立するのか、CpG配列のメチル化状態を読み取りうる構造であるCXXCモチーフとSRAドメインに焦点を絞った解析を開始した。CXXCモチーフタンパクをコードするCxxc5遺伝子について、ノックアウトマウス、コンディショナルノックアウトES細胞、タンパク複合体の解析を行った。Cxxc5ノックアウトマウスでは、大きな異常は観察されず、ノックアウトES細胞においても、遺伝子発現の異常は限局されていた。また、Cxxc5は、リモデリング因子であるNURD複合体の一部であることを明らかにした。現在、Cxxc5とNURD複合体の局在を、ChIP-seqによって検索している。SRAタンパクであるNp95/UHRF1についても、ノックアウトマウス、コンディショナルノックアウトES細胞、タンパク複合体の解析を行っている。Dnmt1のリクルート以外の新たな機能を見出している。
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