研究課題/領域番号 |
23249015
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
古関 明彦 独立行政法人理化学研究所, 免疫器官形成研究グループ, グループディレクター (40225446)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | CpGアイランド / CXXCモチーフ / SRAドメイン / Cxxc5 / Np95/UHRF1 |
研究概要 |
CpGアイランド(CGI)は、哺乳類では,転写開始点付近に集中的に局在している。ES細胞を用いたゲノムワイド解析から、1kb以上の長いCGIはDNAメチル化を受けづらく、エピジェネティック制御因子のひとつであるポリコム群による制御を受け易い一方、短いCGI(特に0.5kb以下)は軽度のDNAメル化を受け、メチル化依存的な制御を受ける。これらの観察は,CGIがエピジェネティック制御のためのプラットフォームとなっていること、そして、その長さやDNAメチル化状態がエピジェネティック制御の選択性を決定する因子となっている可能性を示している。本研究では,CGIがどのように認識されてポリコム群による抑制クロマチンを樹立するのか、CpG配列のメチル化状態を読み取りうる構造であるCXXCモチーフとSRAドメインに焦点を絞った解析を開始した。CXXCモチーフタンパクをコードするCxxc1遺伝子について、ノックアウトマウス、コンディショナルノックアウトES細胞、タンパク複合体の解析を行った。Cxxc1ノックアウトマウスでは、胎生初期に致死となる。それに呼応して、コンディショナルノックアウトES細胞においても、Cxxc1をノックアウトすると細胞増殖が障害された。細胞増殖の異常に先立って、遺伝子発現の異常が観察され、ポリコーム群の標的遺伝子群は発現が脱抑制されるのに対し、H3K4メチル化だけを受ける遺伝子群では発現の抑制が見られた。ポリコーム群の標的遺伝子群においては、H3K27メチル化に変化は見られなかったもの、PRC1の結合に大きな変化があることが明らかになった。PRC1とCxxc1の間には直接的な結合は見られず、Cxxc1はSetd1などのH3K4メチル化酵素との結合が見られたことから、H3K4メチル化を介したメカニズムによってPRC1機能が制御されている可能性が示された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
いずれのプロジェクトについても、当初の予定に従って粛々と進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
DNAメチル化、ハイドロキシメチル化、脱メチル化の経路とCXXCタンパク群の機能的連関が明らかになりつつあり、その点に焦点を絞った解析に重点をシフトしていく。
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