研究課題
アクチン結合蛋白Girdinは増殖因子などの刺激を受けると、アクチン細胞骨格の再構成を通じて細胞運動を制御している。Girdinのリン酸化部位としてAktキナーゼによってリン酸化されるセリン1416に加え、最近EGF receptorおよびSrcによってリン酸化を受けるチロシン1764, 1798が明らかになった。これらのチロシンリン酸化の意義を明らかにするため、Y1798に対するリン酸化特異抗体を作成した。NIH3T3細胞を用いて蛍光免疫染色を行ったところ、focal adhesionにチロシン1798の特異的な染色が観察された。一方、セリン1416抗体のように、lamellipodia先端部における染色は認めなかった。生後の脳発達過程において、subventricular zoneから嗅球へ移動する神経前駆細胞にチロシン1798のリン酸化が起きていた。これら神経前駆細胞を培養して蛍光免疫染色を行ったところ、移動する神経前駆細胞の細胞質にドット状の染色が観察された。培養神経前駆細胞をSrc inhibitorで処理すると、細胞移動が障害されるとともに、チロシン1798の染色性が消失した。以上の結果より、神経前駆細胞においてはGirdinのチロシン1798はSrcによってリン酸化され、細胞移動に関わっていることが示唆された。チロシン1764に対する特異抗体も作成し、チロシン1798抗体と同様にfocal adhesionへの染色性を確認した。今後、チロシン1798に変異を導入したノックインマウスを作成し、個体レベルの機能解析を進めていくことが課題である。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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Breast Cancer
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