研究課題/領域番号 |
23249029
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 国立保健医療科学院 |
研究代表者 |
熊川 寿郎 国立保健医療科学院, 医療・福祉サービス研究部, 部長 (10221227)
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研究分担者 |
菅原 琢磨 法政大学, 経済学部, 教授 (50364659)
平塚 義宗 国立保健医療科学院, 医療・福祉サービス研究部, 上席主任研究官 (80266014)
上野 淳 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (70117696)
小林 健一 国立保健医療科学院, 生活環境研究部, 上席主任研究官 (80360692)
松下 大輔 岡山理科大学, 工学部, 准教授 (90372565)
山田 あすか 東京電機大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (80434710)
山下 哲郎 工学院大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00239972)
吉川 徹 首都大学東京, 都市環境科学研究科, 教授 (90211656)
三橋 伸夫 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (50229746)
佐藤 栄治 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40453964)
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キーワード | アクセシビリティ / 医療施設立地 / 看護量 / 看護負担感 / サービスの定量化 / 医療サービス提供体制 |
研究概要 |
本研究は,医療サービス提供体制の再構築を目指して行われる研究の一環として,居住者からの医療施設への移動的利便性と病院内での看護者の患者への到達容易性(アクセシビリティ)の視点によって対象地域の医療提供体制を包括的に研究するものである.本年度は以下の3点の成果を得た. 1)県・市単位での医療施設と利用者との道路距離/時間距離の関係,その将来的変化の把握:本年度は,県:岩手県,宮城県,神奈川県,市:札幌市,三島市を事例対象とし,診療科別の医療施設立地と人口分布,住居分布,道路・交通情報を収集した.また,対象地域の年齢人口比率と流動状況調査によって今後の人口推移の予測を得て,地区別人口分布の将来的変化を把握した(人口は年齢階級別).これらのデータを元に,地理情報システムを用いたネットワーク距離による医療施設への利用者のアクセス分析を行った. 2)分析の汎用性の検討:上記の成果を基に,統計データの取捨選択,データの精度の分析を行い,さらに広域を計測対象とした場合の距離計測手法の整合性を検討した. 3)情報端末機器調査による看護量と看護人員配置状況の把握手法の構築:本年度は,1つのフロアタイプを対象として,各々のベッドと看護師への情報端末付置による病院急性期病棟での人員配置と看護量,時間推移を数量的に把握した.同時に看護行動観察調査による病棟での人員配置と看護量,看護作業種別,時間推移の質的把握を行った.得られた情報端末調査による数量データと観察調査による質的データの相互補完を行い,データ挙動と作業内容の対照分析を行った.またフロアプランと患者のニーズ,看護動線や看護量との関係を分析した.これによって,データ挙動と実際の作業内容の対応関係モデルを作成し,情報端末調査機器による看護量と人員配置状況の把握手法を検討した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大別して2つのプロジェクトが同時進行しているが,両プロジェクトもデータに関しては順調に取得,分析を行っている. アクセシビリティによる病院施設立地の評価・分析においては,取り扱うデータが膨大なため継続的に分析を行っており,研究の達成度はおおむね順調に進展している. 病棟の調査においては,当該研究を遂行するための倫理委員会の都合により調査時期が当初の計画よりずれ込んだものの,良質なデータが取得できている.
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今後の研究の推進方策 |
医療サービス利用者のアクセス分析については,データ取得を機械的に行える算段がついたため,対象地域を当初の計画より広げ分析を行う予定である.また地域の医療連携の実態把握を行うことで,より精緻に分析が可能と判断したため,調査を追加する予定である. 病棟調査においては,病院の倫理委員会の承諾を得るまでに相当数の時間を要した.研究開始以前に調整はしていたものの,具体的な調査方法等の調整が不足していたことも否めないため,細部まで事前に調整を行うことが必要であると考える.本年度は倫理の調整は不要なため,調査・分析には支障がないと考える.機器の設置の調整,病院との調整を継続的に行いつつ,良質なデータ蓄積に務めたい.
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