研究課題/領域番号 |
23249033
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
大前 和幸 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (60118924)
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研究分担者 |
田中 昭代 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (10136484)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | インジウム / 産業疫学 / コホート研究 / 産業中毒 / 呼吸器影響 / 先端産業 / 透明導電膜 / 太陽電池 |
研究概要 |
1)コホート調査・結果報告・個人指導:全国11カ所(東京都青梅市、兵庫県加古川市、埼玉県草加市、愛知県春日井市、山形県上山市、福岡県福岡市、秋田県秋田市、茨城県北茨城市、静岡県裾野市、鹿児島県霧島市2カ所)で実施した。いずれの事業所も作業環境管理、作業管理、健康管理が徹底・深化し、過去曝露者、継続曝露者、新規曝露開始者のいずれも、曝露指標、健康影響指標の改善が見られた。作業環境測定・個人曝露濃度測定および保護具に関する教育は、研究協力者の田中茂教授(十文字学園女子大)により1カ所(山形県上山市)で実施した。この事業所は、我々のフィールドの中で最も健康リスクの高い事業場であり、適切な保護具の使用が不十分であったことが判明し、強く指導することができた。 2)金属インジウム調査:昨年度から実施していた金属インジウムの調査結果に関する報告会を、4月に全調査事業所を対象として実施し、1000度を超える高温で金属インジウムを溶解する工程以外の金属インジウム取扱い作業では、健康影響リスクは大きくないことを明らかにした。 3)リスクコミュニケーション:5月に松山市で開催された日本産業衛生学会総会時には、インジウムに関する情報交換会を実施し、インジウム取扱事業者から約50名、研究者約20名、厚生労働省行政官1名が出席し、最新の研究成果、事業場の環境改善報告、行政の動向等について情報交換を実施した。 4)学問上の新規発見:5年間のコホート観察の結果、高濃度曝露群では胸部HRCTで肺気腫性変化が有意に悪化することが観察され、インジウム肺の自然史の一端が明らかになった。 5)行政上の成果:我々の調査が結実し、平成26年1月より、インジウム及びその化合物は、特定化学物質障害予防規則第2類物質として指定され、特殊健康診断、作業環境測定等の年2回実施等、特定化学物質としての各種法的規制が開始された。
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現在までの達成度 (区分) |
理由
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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