研究課題/領域番号 |
23249036
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研究機関 | 滋賀医科大学 |
研究代表者 |
三浦 克之 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90257452)
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研究分担者 |
上島 弘嗣 滋賀医科大学, アジア疫学研究センター, 特任教授 (70144483)
今井 潤 東北大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40133946)
村田 喜代史 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (20127038)
野崎 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 教授 (90252452)
椎野 顯彦 滋賀医科大学, MR医学総合研究センター, 准教授 (50215935)
大久保 孝義 帝京大学, 医学部, 教授 (60344652)
寳澤 篤 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 教授 (00432302)
藤吉 朗 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (10567077)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 社会医学 / 循環器・高血圧・疫学 / 脳卒中 / コホート研究 / 頭部MRI / 潜在性動脈硬化 |
研究概要 |
本研究は、脳卒中死亡率高地域(東北)・低地域(関西)に位置する二つの一般住民コホート(関西:草津コホート; 東北:大迫コホート)に頭部MRI撮影を導入することにより、無症候性脳血管障害・海馬萎縮の関連要因、およびその地域格差に関連する要因を総合的に検証・報告するとともに、得られた結果をもとに、地域予防対策に関する提言を行うものである。本年度は以下の調査・分析を実施した。 a.草津コホート 平成24年度より継続して本申請研究費により頭部MRI撮影を実施・読影し、データベース化を行った。本年度実施・読影総数は平成26年3月末で約300名であり、研究実施計画における本年度目標人数200名を上回った。昨年度も含むとデータベース化が完了した総数は約420名となった。頭部MRI所見は、2名の脳外科医が判定を行い、所見を決定した。頭部MRI所見は対象者にわかりやすい形で返却し、必要に応じて受診勧奨を行った。また、既測定の生活習慣・危険要因・認知機能・潜在性動脈硬化関連指標(CTによる冠動脈石灰化および超音波による頸動脈内膜中膜厚・プラーク評価、保存検体などにより測定した血中の動脈硬化関連指標および遺伝要因も含む)と実施・読影済みMRIの各指標に関するデータとを統合したデータベースを作成した。 b.大迫コホート 平成24年度より継続して高齢者健診を受診した200名を対象に頭部MRI撮影を実施した。また既存データベースと統合した分析を行い、24時間血圧測定における血圧変動と無症候性脳血管障害との関連を明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成24年度の草津コホートにおける頭部MRI撮影実施・読影の遅れを取り戻すため、平成25年度は撮影ペースを増やして対応した。本年度、草津コホートでは約300名について撮影・読影を完成させた。しかしながら、昨年度の遅れの影響により、脳卒中死亡率高地域(東北:大迫コホート)と低地域(関西:草津コホート)との地域格差に関連する要因の検証が十分に実施できていない。一方、先行して調査を実施している大迫コホートにおける調査は順調に実施され、その成果は国内外の学会や国際学術誌に報告されている。
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今後の研究の推進方策 |
草津コホートの頭部MRI撮影実施・読影については、このままの年間約300-400名ペースを維持し、研究を推進していく予定である。大迫コホートについては、頭部MRI撮影実施・読影は先行しており、研究実施計画通りに進めていく予定である。また、今年度早期に、平成25年度末までに既に収集されデータベース化されている情報に基づき、両コホートの統合データベースを作成し、無症候性脳血管障害および早期アルツハイマー型認知症高危険群である海馬傍回萎縮と生活習慣・社会経済的要因・血液生化学検査・候補遺伝子多型・他の動脈硬化指標との関連についての横断的解析を行う。更には、上記の地域格差に関連する要因を総合的に検証する。
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