研究課題
COPD、ARDS、特発性間質性肺炎、難治性気管支喘息、新興呼吸器感染症(新型インフルエンザ等)などは、炎症関連機序を主体とする病態であり、その難治性・致死性や高い発症頻度から、社会的にも極めて重大な疾患群である。例えば、喫緊の対策課題であるインフルエンザの主要死因は、難治性呼吸不全・ARDSである。これらの炎症性肺疾患の病態機序・治療標的は未だに不明であり、新治療法の開発が急務とされている。さらに最近では、炎症と悪性腫瘍発症との関連が注目されており、肺腫瘍と炎症メディエ-タ-の関連を示唆する最新報告もある(Kim S, Takahashi H, et al. Nature 2009; Takahashi H, et al. Cancer Cell 2010)。本研究では、 (1)炎症・生体防御関連因子としての脂質性メディエ-タ-、(2)発生関連因子である転写コアクチベーターTAZに着目し、(3) siRNAなどの新技術を応用・駆使することにより、難治性肺疾患の病態解明および治療標的の同定を目指す。さらに、(4) 「炎症と肺腫瘍の関連」について研究モデルを構築し、炎症・腫瘍関連遺伝子の探索を行う。以上を総括して、主要な呼吸器疾患であるCOPD、肺線維症、ARDS、肺腫瘍などの発症関連遺伝子・蛋白質の機能解明および創薬への応用・開発を目指す。難治性呼吸器系疾患に対する治療薬剤の開発は目下、困難を極めている。本研究では、遺伝子改変マウス作成に誘導性siRNAという分子生物学上の最新手法を組み合わせて呼吸器疾患病態機序の解明を行う。最新アプローチを駆使した本プロジェクトは、文字通り「ベンチからベッドへ」という橋渡し的役割を果たすものであり、その成果は、薬剤開発のプロセスを短縮し、実用化に大きく寄与することが予想される。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 10件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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