研究課題
本研究では,生理的な構造を維持したタンパク(約19,000 種類)を網羅的に搭載したプロテインアレイを用いて,自己免疫性神経疾患,傍腫瘍性神経疾患について,その病態に関与する抗体群を体系的に,網羅的に明らかにする.その結果,これらの疾患の発症に関与する新規の自己抗体を全て明らかにする.これらの成果に基づき,自己免疫性神経疾患,傍腫瘍性神経疾患について,症例毎に関与する病態機序を明らかにする.網羅的自己抗体プロファイリングに基づき,臨床試験として汎用性の高い新規プロテインアレイを構築し,これらの疾患に対して,格段に感度,特異性の高い診断法を確立するとともに,自己抗体プロファイルに基づき最適な治療法を確立することを目指している.まず,抗体介在性の機序が作用していると考えられる免疫性神経疾患について,詳細な臨床的検討を行い,自己免疫性神経疾患,傍腫瘍性神経疾患の症例の蓄積行い,これらの症例の中から, paraneoplastic cerebellar degenerationの9症例,抗体介在脳炎9症例,急性自律神経ニューロパチー1例,抗体介在筋炎1例を抽出して,これら20症例について,新型プロテインアレイ(アクティブプロテインアレイ)を用いて,網羅的な自己抗体プロファイリング解析を完了した.それぞれの症例で,40-60ほどの抗原を認識する抗体の存在が確認されており,疾患群毎の特徴の有無,抗原決定基の共通性の有無などを含め,その意義づけについての詳細な解析を進めている.
2: おおむね順調に進展している
自己抗体が認識する網羅的な抗原の特定は順調に進んでいる.
それぞれの症例で,40-60もの異なる抗原を認識する抗体の存在が確認されており,それらの疾患発症との意義づけ,抗原決定基の共通性の有無などについて,アミノ酸配列レベル,さらには立体構造を含めた解析が必要である.
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
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