研究課題
福山型筋ジストロフィ-(FCMD)は、重度の筋ジストロフィ-に脳奇形を伴う常染色体劣性遺伝性神経筋疾患であり、日本に多く、未だ治療法がない。殆どのFCMD患者は、フクチン遺伝子の3’非翻訳領域に約3kbのSVA型レトロトランスポゾンの挿入変異を持つ。我々は近年、FCMDがSVA配列内にある強力なスプライシング受容部位のエクソントラップ機能により、最終エクソンのフクチンをコードする領域内の選択的スプライシング供与部位が活性化されることで発症するスプライシング異常症であることを証明し、アンチセンス核酸を用いたエクソントラップ阻害による根治療法の可能性を示した(Nature 2011)。しかしながらここでの検討では、毒性が危惧される膜透過型モルフォリノ核酸(VMO)を使用していることと、3種類の配列のアンチセンス核酸A3, E3, D5の3種によるカクテル療法であるため、通常より多くの非臨床試験が必要となる可能性が存在した。今回我々は、このエクソントラップ阻害剤の臨床応用に向けさらに至適薬剤の選択を行った。患者由来細胞を用いてスプライシング阻害活性測定系を再設定し、まず臨床応用が進んでいる2-OメチルRNAを用い、エクソントラップを誘導するスプライシング受容部位・供与部位及びスプライシング促進配列に網羅的にアンチセンス核酸を設計した。スプライシング阻害活性を測定したところ、スプライシング調節部位に設計したアンチセンス核酸で十分なエクソントラップ阻害効果を認めることが判明した。次にその核酸配列をモルフォリノ核酸を用いて合成し、最適化を行い複数の候補配列を見出した。これらの配列をモデルマウス及び患者由来細胞系に投与したところ、正常フクチン蛋白の回復及びαジストログリカンの糖鎖修飾の改善が確認された。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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