研究課題/領域番号 |
23249054
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
山本 一彦 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (80191394)
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研究分担者 |
岡村 僚久 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (10528996)
庄田 宏文 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (20529036)
岡本 明子 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (40431861)
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キーワード | 関節リウマチ / T細胞 / シトルリン / Bip / PADI4 |
研究概要 |
我々は蛋白のシトルリン化酵素(PADI、蛋白はPADとも呼ばれる)の中のPADI4を関節リウマチ(rheumatoid arthritis : RA)の疾患感受性遺伝子として報告しているが、最近のメタ解析では、アジア人だけでなく、欧米人でも関連が認められることが追認され、普遍的な病因との関係が注目されている。そこで、RAの発症、病態形成において重要な役割を果たすPADI4の病因論的役割を検証し、根本的治療法を開発することを目的として研究を推進した。 この研究の為、PADI4ノックアウトマウスを作成した。このマウスを関節炎を惹起可能なバックグランドにするため、バッククロス法を繰り返し、DBA/1系へのバッククロスを完成させた。既に完成しているC57BL/6系へのバッククロスマウスと共に、II型コラーゲンの免疫により惹起される関節炎の動物モデルにおけるPADI4の役割を検証した。 この結果、PADI4ノックアウトによりB6,DBA/1J系ともにコラーゲン誘発性関節炎(collagen-induced arthritis : CIA)の発症、関節炎スコアが有意に抑制された。さらに、PADI4ノックアウトマウスでは、CIA血清で抗シトルリン化蛋白抗体価(CCPキットにて測定)の低下がみられたのみならず、抗II型コラーゲン抗体価も低下していた。PADI4ノックアウトのCIA関節炎組織ではシトルリン化フィブリノーゲンの発現消失がみられた。 一方、ヒトRA患者リンパ球の特異的抗原であるImmunoglobulin binding protein(Bip)に対する反応の検出系の樹立も進めた。
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