研究課題/領域番号 |
23249065
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
本間 章彦 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (20287428)
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研究分担者 |
妙中 義之 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 副所長 (00142183)
巽 英介 独立行政法人国立循環器病研究センター, 人工臓器部, 部長 (00216996)
武輪 能明 独立行政法人国立循環器病研究センター, 人工臓器部, 室長 (20332405)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
舟久保 昭夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (00307670)
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キーワード | 全人工心臓 / 補助人工心臓 / ウェアラブル / 駆動装置 / 空気圧駆動式 |
研究概要 |
(1)補助人工心臓(VAD)について 〔プロトタイプ駆動装置の製作と耐久実験〕 空気圧駆動式VAD用のプロトタイプ駆動装置の製作を行った。駆動装置の全体の大きさは250W×110D×210H(mm)となり、重量は4.3kgとなった。従来の空気駆動型VAD用の駆動装置の重量は、コンソール型で85~90kg、ポータブル型でも13~14kg程度あることを考えると、プロトタイプとしては非常に小型軽量を達成できたと思われる。また、駆動装置は、重量約400gのリチウムイオン二次電池を2個内包し、充放電回路も備えているため、そのままAC電源に接続することで、追加充電も可能となっている。後負荷や拍動数により影響を受けるが、通常の駆動において、電池でおおよそ5~6時間の連続駆動が可能であることを、新たに構築した模擬循環回路による試験において確認した。さらに、耐久性に重要と思われる非円形歯車の耐久試験も開始し、現在継続評価中となっている。 (2)全人工心臓(TAH)について 〔空気圧発生機構のツイン化と制御機構製作〕 VADとの共通要素技術を用いて、空気圧発生機構部分をツイン化し、左右血液ポンプを駆動できる駆動装置を試作した。TAHでは左右血液ポンプの拍出流量制御が非常に重要となるため、これらに関する検討を新たに構築した模擬循環回路を用いて実施した。右血液ポンプの拍出流量が、パッシブフィリング駆動時に、前負荷変化に応じてどのくらい変化するのか検討を行ったところ、例として血液ポンプを90bpmで駆動、後負荷は20mmHgに固定した場合、前負荷を20mmHgから5mmHgまで減少させると、アクティブフィリング駆動に対し、パッシブフィリング駆動では一回拍出量で約30mLの減少が認められた。前負荷に応じた受動的な流量制御の可能性について確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
(1)補助人工心臓(VAD)について プロトタイプ駆動装置の構築と、性能評価を行うために必要な模擬循環回路の構築を優先的に行ったため、計画を変更し、動物実験は次年度に実施することとなった。しかしながら、動物実験へ移行できるプロトタイプ駆動装置の試作がほぼ完了した。 (2)全人工心臓(TAH) ツイン化駆動装置の試作が完了し、左右拍出流量制御機構の検討を開始した。制御機能について検討を行うために必要な模擬循環回路の構築に時間を有したために、制御の関する検討を次年度も引き続き行うことになった。
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今後の研究の推進方策 |
(1)補助人工心臓(VAD)について 動物実験へ移行できるプロトタイプ駆動装置の試作がほぼ完了したため、慢性動物実験による駆動装置の評価を開始する。動物実験の結果を踏まえて、拍出流量推定や警報装置の検討を合わせて開始する。 (2)全人工心臓(TAH) ツイン化駆動装置の試作が完了したため、左右拍出流量制御機構に関する検討を中心に行う。また急性動物実験において制御機構の検証を開始する。
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