研究課題
MkxおよびRP58のプロモーターにCreをつないだトランスジェニックマウスを作製し、ROSA-LacZマウスと掛け合わせた。Mkx/RP58のダブルノックアウトマウスにおける筋:腱組織の表現型と、MkxもしくはRP58がリニエージ特異的に恒常的に発現したときの表現型をHE染色ならびに、筋および腱に特異的な抗体染色で検討した。Mkx-GFPノックインマウス胚(E14.5)からのセルソーティングにより、Mkx陽性細胞を採取し、この細胞が腱と筋の両方に分化可能な前駆細胞であるかの解析を行った。また、Mkx陽性細胞を、当研究室で稼働しているマウスアキレス腱損傷・靱帯損傷モデルに適用し、治療研究も行った。
2: おおむね順調に進展している
研究において支障はなく、ほぼ計画どうりに研究をすすめることができたため。
引き続き、「Mkx(腱)とRP58(筋)転写因子の相互制御による筋:腱複合組織の構築メカニズムの解明」をさらに進める。これまでにMkxおよびRP58のプロモーターにCreをつないだトランスジェニックマウスを作製し、ROSA-LacZマウスと掛け合わせた。本年度はこのマウスを用いてMkx、RP58陽性細胞それぞれのリニエージを調べ、腱・筋前駆細胞の相互乗り入れ・相互形質転換について解析を進める。Mkx/RP58のダブルノックアウトマウスにおける筋:腱組織の表現型と、MkxもしくはRP58がリニエージ特異的に恒常的に発現したときの表現型をHE染色ならびに、筋および腱に特異的な抗体染色で検討する。また、腱・筋それぞれの分化誘導に必須なTGF-β、IGFシグナルによるMkx、RP58の制御機構を、TGF-β、IGFノックアウトマウスを用いて解析する。さらにマニピュレーションの容易なニワトリ胚も併用し、Mkx陽性細胞のリニエージ解析を行い、Mkx過剰発現やノックダウンの効果を解析する。また、腱発生に重要なTGF-βシグナルなどを用いて、Mkx-GFPノックインES細胞からMkx陽性細胞の誘導方法を確立する。また、腱への初期分化に必須であるScx遺伝子と山中因子とを組み合わせ、Mkx-GFPノックインマウスから採集したMEFからのMkx陽性細胞の誘導方法を樹立する。ここで誘導されたMkx陽性細胞がどれだけ腱に分化が特異化されているか、間葉系幹細胞をコントロールとして、脂肪分化、骨分化誘導などに対する抵抗性の検討を行う。さらに誘導されたMkx陽性細胞を、当研究室で稼働しているマウスアキレス腱損傷・靱帯損傷モデルに適用し、治療研究も行う。
すべて 2013 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件)
PloS Genetics.
巻: 9(1) ページ: e1003132
10.1371
Developmental Dynamics
巻: 241(7) ページ: 1217-26
10.1002