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2012 年度 実績報告書

遺伝・環境要因からみた尿路結石形成機序の統合的解明と新規治療薬の開発

研究課題

研究課題/領域番号 23249074
研究機関名古屋市立大学

研究代表者

郡 健二郎  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30122047)

研究分担者 上出 利光  北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
戸澤 啓一  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40264733)
安井 孝周  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40326153)
岡田 淳志  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (70444966)
濱本 周造  名古屋市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 研究員 (80551267)
松田 浩一  東京大学, 医科学研究所, 准教授 (90401257)
研究期間 (年度) 2011-04-01 – 2015-03-31
キーワード尿路結石 / オステオポンチン / マクロファージ / ミトコンドリア
研究概要

1. 抗オステオポンチン(OPN)抗体を用いた分子標的治療薬:抗オステオポンチン抗体を作成し、モデルラットで結石の形成抑制を行った。
2. 腎尿細管細胞ミトコンドリア障害に着目した治療薬:ミトコンドリア膜輸送体であるcyclophilin Dのノックアウトマウスを用いて、結石形成機序を解明し、その制御薬による結石抑制を試みた。cyclophilin D欠損マウスとwild typeで、腎尿細管細胞やミトコンドリアの形態、細胞内カルシウム濃度、酸化ストレスなどの変化を画像解析と発現の定量化で比較、評価している。
3. マクロファージ(Mφ)による結晶貪食作用を応用した結石溶解療法:単球刺激因子(CSF-1)遺伝子変異を有するMφ機能不全マウス(op/op;B6C3Fe a/a-CsfIop/J)を用い、Mφ欠損による結石形成・消失の動向を検証した。8週齢op/opとwild-typeに、シュウ酸前駆物質であるグリオキシル酸(80mg/kg)を連日腹腔内投与し、15日目まで結石の増加・消失を比較すると共に、腎組織でのMφの動向を免疫組織化学的、電子顕微鏡的(TEM, SEM)に観察した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

1. 抗オステオポンチン(OPN)抗体を用いた分子標的治療薬:抗オステオポンチン抗体を作成し、モデルラットで結石の形成抑制を行った。モデルサルの開発が完成していないため、やや遅れている。
2. 腎尿細管細胞ミトコンドリア障害に着目した治療薬:ミトコンドリア膜輸送体であるcyclophilin Dのノックアウトマウスを用いて、結石形成機序を解明し、その制御薬による結石抑制を試みた。cyclophilin D欠損マウスとwild typeで、腎尿細管細胞やミトコンドリアの形態、細胞内カルシウム濃度、酸化ストレスなどの変化を画像解析と発現の定量化で比較、評価している。この部分では概ね達成している。
3. マクロファージ(Mφ)による結晶貪食作用を応用した結石溶解療法:単球刺激因子(CSF-1)遺伝子変異を有するMφ機能不全マウス(op/op;B6C3Fe a/a-CsfIop/J)を用い、Mφ欠損による結石形成・消失の動向を検証した。8週齢op/opとwild-typeに、シュウ酸前駆物質であるグリオキシル酸(80mg/kg)を連日腹腔内投与し、15日目まで結石の増加・消失を比較すると共に、腎組織でのMφの動向を免疫組織化学的、電子顕微鏡的(TEM, SEM)に観察した。この部分では概ね達成している。
以上のことから全体としてはおおむね順調に進展している。

今後の研究の推進方策

1. 抗オステオポンチン(OPN)抗体を用いた分子標的治療薬の開発:平成24年に引き続き、結石モデルサルの作成に取り組んでいく。
2. 腎尿細管細胞ミトコンドリア障害に着目した治療薬の開発:cyclophilin D欠損マウスを用いて、結石形成時のcyclophilin D、ミトコンドリア、酸化ストレス発生について検討していく。サイクロスポリンAのように免疫抑制作用を持たないが、MPTP(mitochondria permeability transitional pore)の中心構造であるcyclophilin D (CpD)を特異的に阻害するNIM811 (N-Methyl-4-isoleucine cyclosporine)を用いる。腎尿細管培養細胞(MDCK)においてシュウ酸カルシウム結晶の暴露が引き起こすミトコンドリア崩壊を介したアポトーシスの発生をNIM811が抑制できるかを評価する。その後、結石モデルラットにおける結石形成をNIM811(2~200mg /kg/day)が抑制するか評価する。
3. Mφによる結晶貪食作用を応用した結石溶解療法: 尿路結石患者と非結石者(各100名)から血液および24時間尿を採取し、Bio-Plex サスペンションアレイシステムを用いて51種類のサイトカインを同時に測定し、各物質に関し群間で有意差検定を行う。選定されたマーカーについては、Mφ機能への影響を検討するとともに、ヒト尿路結石のリスク因子としての有用性を確認していく。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] Kidney Stone Formation is Positively Associatedwith Conventional Risk Factors for Coronary Heart Disease in Japanese Men2013

    • 著者名/発表者名
      Ando R
    • 雑誌名

      J Urol

      巻: 189 ページ: 1340-1346

    • DOI

      10.1016/j.juro.2012.11.045

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biomolecular mechanism of urinary stone formation involving osteopontin2012

    • 著者名/発表者名
      Kohri K
    • 雑誌名

      Urol Res

      巻: 40 ページ: 623-637

    • DOI

      10.1007/s00240-012-0514-y

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Pioglitazone, a peroxisome proliferator activated receptor γ agonist, decreases renal crystal deposition, oxidative stress and inflammation in hyperoxaluric rats2012

    • 著者名/発表者名
      Taguchi K
    • 雑誌名

      J Urol

      巻: 188 ページ: 1002-1011

    • DOI

      10.1016/j.juro.2012.04.103

    • 査読あり

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公開日: 2014-07-24  

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