研究課題
1. 抗オステオポンチン(OPN)抗体による活性型OPNをターゲットとした分子標的治療薬の開発:活性型抗OPN抗体の入手が困難になったため、本年は研究を進めることができなかった。このため同様のOPN活性部位を標的とするOPN-N-half抗体による結石抑制研究を進行中であり、この成果をもとに臨床研究へと進めたい。2. 尿細管細胞ミトコンドリア障害による結石形成とその予防法の確立:cyclophilin Dノックアウトマウス(CpD-/-)を導入し、尿路結石形成研究を行った。CpD-/-はシュウ酸暴露による尿細管上皮細胞内マクロファージにMPTP(膜透過性輸送孔)を介したH+の移行が発生せず、ミトコンドリア崩壊に伴う細胞障害・アポトーシスが発生しにくいため、CpD+/+と比較して結石形成が有意に少ないことが認められた。3. マクロファージによる結晶貪食作用を応用した結石溶解療法の樹立:マルチプレックス解析装置MagPixで尿中サイトカイン・ケモカインを同時測定し、結石群には炎症性マクロファージ(M1)誘導因子が高く、抗炎症マクロファージ(M2)誘導因子が低いことが判明した。多変量解析にて結石形成にはIL-4が低値であることが検出された。4. アディポサイトカインを用いた脂質ダイナミクス制御による結石予防法の開発:メタボリックシンドロームモデルマウスに対し、高脂肪食を投与し、これまでマウスでは結石形成が不可能であったシュウ酸前駆物質エチレングリコールの自由飲水から結石形成が生じることを発見した。電子顕微鏡の観察で、尿細管細胞には脂肪変性が生じており、M1マクロファージの遊走が有意に多かった。この成果を論文化し、投稿中である。5. ヒトゲノムワイド解析による新規関連遺伝子の同定と機能解析:尿路結石感受性領域として、3箇所(5q35.3, 7p14.3, 13q14.1)の疾患関連についての論文が掲載された。現在尿路結石患者の再発に関わる前向き研究のための準備を進めている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (30件) (うち招待講演 5件)
Journal of the American Society of Nephrology
巻: 25 ページ: 1680-1697
10.1681/ASN.2013060675.
Journal of Endourology
巻: 28 ページ: 28-33
10.1089/end.2013.0361
ISRN Urology
巻: 2014 ページ: 897451
10.1155/2014/897451
Urolithiasis
巻: 42 ページ: 17-28
10.1007/s00240-013-0612-5
BMC Research Notes
巻: 7 ページ: 87
10.1186/1756-0500-7-87
The Journal of Urology
巻: 191 ページ: 1906-1912
10.1016/j.juro.2014.01.013
Urology
巻: 84 ページ: 565-570
10.1016/j.urology.2014.04.020