研究課題/領域番号 |
23249078
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鈴木 茂彦 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (30187728)
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研究分担者 |
河合 勝也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90273458)
内藤 素子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30378723)
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キーワード | 弾性線維 / 三次元培養 / コラーゲンスポンジ / 架橋条件 / 基材 |
研究概要 |
弾性線維の再生に適したコラーゲン基材を開発し、以下の検討を行った。 1) 基材孔経の最適化: コラーゲン基材の孔径について、平均孔径25μm,50μm,100μmについて検討した。架橋条件は140度熱架橋に統一した。各基材にヒト正常皮膚由来線維芽細胞を播種し、in vitro三次元培養系にて播種後2週間、3週間でサンプリングを行い、弾性線維構成成分(Fibrillin-1、ELASTIN)に対する免疫組織化学的染色を行った。その結果、25μm孔径ではFibrillin-1、ELASTINの染色が認められたが、50μm,100μmでは認められなかった。この結果、平均基材孔径25μmが弾性線維形成には適していると考えられた(N=6)。 2)基材の架橋条件の最適化: 1)で得られた最適孔径条件下(平均孔径25μm)で、110度熱架橋、120度熱架橋、140度熱架橋、140度熱架橋+グルタールアルデヒド架橋、の4種類で検討した(各条件下にN=3)。評価方法として、in vitro三次元培養系にて、各基材に線維芽細胞播種し、播種後1週間 、2週間、3週間でサンプリングを行い、弾性線維構成成分(Fibrillin-1、ELASTIN)に対する免疫組織化学的染色と、EVG染色を実施した。その結果、当初の予想とはやや異なり、架橋条件として120度熱架橋、あるいは140度熱架橋条件で、Fibrillin-1、ELASTINの染色性が確認され、他の架橋条件したでは染色性が乏しかった。EVG染色ではいずれの条件したでも染色性は確認できなかった。N数がまだ少ないため、120度と140度のいずれが最適であるかは、今後の検討とした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
基材条件のうち、孔径に関する条件の最適化に成功したため。 また、架橋条件についても、120度熱架橋あるいは、140度熱架橋のいずれか2つに絞ることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、架橋条件の最適化を行う。また、この最適化を実施た基材を用いた三次元培養系で、弾性線維の形成を促進させるような各種生理活性物質を添加し、弾性線維の再生をさらに加速できるかどうかを検討する。
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