研究課題/領域番号 |
23249088
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研究種目 |
基盤研究(A)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
真田 弘美 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50143920)
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研究分担者 |
須釜 淳子 金沢大学, 保健学系, 教授 (00203307)
長瀬 敬 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (00359613)
仲上 豪二朗 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (70547827)
峰松 健夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任講師 (00398752)
森 武俊 東京大学, 大学院・医学系研究科, 特任准教授 (20272586)
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キーワード | 看護工学 / トランスレーショナルリサーチ / 看工融合 |
研究概要 |
本研究課題は、分子・遺伝子レベルの研究手法を看護学研究の領域に応用し、研究成果を技術・製品の開発など看護工学的方法論に沿って臨床現場に還元することを主眼とした"バイオエンジニアリング・ナーシング"という新規概念を提唱することを目的に、(1)滲出液RT-PCRによる感染創傷の同定、(2)慢性創傷の創内部位による治癒傾向の差異の検討、(3)終痛関連マーカーの探索、を行った。これらを実施するため、分子生物学的解析のための基本的設備を充実させ、看護学研究者、基礎生物学研究者、工学研究者を含む研究チームを編成し実験フィールドの整備並びに臨床フィールドを確立した。(1)の研究課題では、当研究室が確立した動物モデルを用いて感染バイオマーカーを探索し、臨床褥瘡から得られたサンプルを対象に解析する技術基盤を整備した。(2)の研究課題では、創傷表面に分布している蛋白質を吸着させ、可視化する技術を動物実験によって開発し、褥瘡の予後予測を正確に行うための技術基盤を確立した。臨床サンプルを用いてマーカー蛋白質の局在解析を行うことにより、褥瘡の予後予測を行うことができる可能性が示された。(3)の研究課題では、痛みを客観的に評価する機器の使用により、痛みを定量化するための方策を検討し、より非侵襲、無拘束にそれらを評価できる代替指標の開発のための文献検討並びに予備検討を行った。この結果から、マットレスなどを用いて疼痛をアセスメントできるような機器のイメージ形成を行い、次年度の研究課題が明確になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
交付申請書に記載した具体的な研究テーマを実行するための研究基盤の整備が順調に進み、実際の研究課題の遂行を計画通りに実施できていることから、概ね順調に進展していると判断する。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題は、看護学における新しい研究フレームであるバイオエンジニアリング・ナーシングを提唱、確立することであり、そのための具体的な研究課題として、創傷感染マーカーの確立、創面蛋白質局在の解析、疼痛マーカーの確立、を挙げている。今年度は整備された研究基盤を最大限活用し、これらの課題を滞りなく遂行する。また、この研究概念を普及させるために、これらの研究を実行できる看護学研究者を育成することを目的に、研究のノウハウが記載された教科書の作成を計画しており、今後の研究推進を加速させることを計画している。
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