研究課題/領域番号 |
23249090
|
研究種目 |
基盤研究(A)
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護医療学部, 教授 (60158300)
|
研究分担者 |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
内布 敦子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20232861)
矢ケ崎 香 慶應義塾大学, 看護医療学部, 助教 (80459247)
|
キーワード | がん看護 / ケアの質評価指標 / ベストプラクティスケア / がん薬物療法 |
研究概要 |
[目的]外来がん化学療法看護におけるオンコロジーエマージェンシーの安全性改善をめざす<ケア質保証統合ステム>を開発し、feasibilityとvalidityを検証する。平成23年度<第1段階>は、ケアの質評価指標(QI)の開発とベストプラクティスケアの検討を行った。 1.専門家パネルによるケアの質評価指標(QI)の検討 1)専門家パネルの組織化:致死的有害事象の予防、安全性のモニタリング等、ケアの質に関連するエビデンスを包括的に抽出し、専門家による調和のとれた質評価指標の合意形成を得るために、日本がん看護学会理事、委員会より任意にパネルメンバーを組織化した。2)質評価基準(QI)の設計:ドナベディアンによる<構造・プロセス・アウトカム>で構成される医療評価モデルに基づき、外来化学療法看護における安全ケア質評価の枠組み、構成要素を検討した。併せて、国際学会においてケア質評価の動向・最新知見を得、医療評価モデルの要素について洗練した。その結果、構造変数として、外来看護師配置、専門職者との連携・協働の仕組みがケアの質評価に重み大と考えられた。 2.専門家パネルによるベストプラクティスケアの検討 1)専門家パネルによる安全ケアの優先度評価:複数回のパネルにおける専門家の意見を統合し、外来がん化学療法の安全ケアの優先的課題として、<静脈ラインあるいはポートからの抗がん剤安全投与>、<経口抗がん剤の安全管理とアドヒアランス>を焦点化した。2)上記優先課題についてベストプラクティスケアのエビデンスをシステマティックレビューにより分析・統合した。その結果、<静脈ラインあるいはポートからの抗がん剤安全投与>では、ポートによる抗がん剤安全投与・管理について、感染管理に対する患者へのセルフケア指導、個別性に対応した機器選択・操作法等の管理のアウトカムへの影響が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定であった、QIおよびベストプラクティスに必要な枠組み、構成要素の抽出・分析・統合に至っている。
|
今後の研究の推進方策 |
ベストプラクティスケアの標準化の推進:外来がん化学療法の安全ケアの優先的課題に対する患者・医療者の認識と実態調査を行う。併せて、専門家パネルによる調査結果及びシステマティックレビューに基づいて、安全ケアに関する患者-医療者間の認識ギャップ、ケアシステムのひずみ等を明確化する。 QIの作成に関しては、米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校およびランド研究所で開発されたRAND/UCLA適切性評価法に基づいて、臨床現場におけるQIの適用を設計する。
|