研究課題/領域番号 |
23249090
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小松 浩子 慶應義塾大学, 看護学部, 教授 (60158300)
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研究分担者 |
鈴木 志津枝 神戸市看護大学, 看護学部, 教授 (00149709)
内布 敦子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20232861)
渡邊 知映 昭和大学, 医学部, 助教 (20425432)
荒尾 晴惠 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50326302)
矢ヶ崎 香 慶應義塾大学, 看護学部, 助教 (80459247)
吉村 公雄 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (10265910)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 化学療法 / オンコロジーエマージェンシー / 質保証 / ベストプラクティス / 患者の意向 |
研究概要 |
外来がん化学療法看護におけるオンコロジーエマージェンシーの安全性改善をめざす「ケア質保証統合ステム」について、優先的開発が必要とされている<静脈ラインあるいはポートからの抗がん剤安全投与><経口抗がん剤の安全管理とアドヒアランス促進>に焦点化し、ベストプラクティスケアの標準化を行った。 <静脈ラインあるいはポートからの抗がん剤安全投与>に関しては、レビューチームを組織し、システマティックレビューを行い、エビデンスの集積・統合により「外来がん化学療法看護ガイドライン1」を作成した。その構成要素は、抗がん剤投与のための安全な実施環境 、血管外漏出の予防、早期発見、対処のためのアセスメント、治療やケア、セルフケア推進、中心静脈留置カテーテルや皮下埋め込みポートからの安全な投与などの8つの要素が含まれた。本ガイドラインは、日本がん看護学会ガイドライン委員会による外部評価を受け妥当性の検証が認められた。<経口抗がん剤の安全管理とアドヒアランス促進>に関しては、multicenter surveyによる経口抗がん剤の安全管理とアドヒアランス促進に対するベストプラクティスとその関連要因を分析した。分析結果と文献レビューに基づき、「患者の意向に基づく服薬自己管理プログラム」を作成した。その介入内容は、①経口抗がん剤治療の目的、計画に関する患者の理解を看護師が再確認することにより、正確な知識の獲得と服薬行動への動機づけを促進する(teach back)こと、②患者が個々の生活パターンに基づき、各自の意向(preference)を取り入れた服薬管理方法(一つ)について看護師と話し合い、最も時機を得た手段を取り入れる、ことを目的とする。本プログラムの妥当性を評価するために、多施設共同無作為化比較試験を計画し、プロトコールの作成を行った。今後、介入研究を進める予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
分子標的治療薬の開発が進み、アドヒアランスに対するエビデンスのレビューを慎重に進める必要が生じた。そのためレビュー結果と調査結果の統合による介入プログラムの開発にやや遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
介入プログラムに対する看護師の研修を施設毎でなく、一同に介して効率的に実施することで介入研究の進捗の遅れを取り戻す計画である。
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