研究課題/領域番号 |
23249092
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
松田 ひとみ 筑波大学, 医学医療系, 教授 (80173847)
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研究分担者 |
柳 久子 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10241811)
森田 展彰 筑波大学, 医学医療系, 准教授 (10251068)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 高齢者 / 夜間睡眠の質 / ナラティブ・ケア / 楽しい会話 / 副交感神経 / 生理学的評価 |
研究概要 |
日本の高齢者のうつや不眠および会話環境を捉え、実態調査から楽しい会話と睡眠の質との関係を見出した。この成果から、活動量の日内変動と自律神経機能の24時間変動を対応させ、夜間に副交感神経が優位になる時間帯を見出した。研究対象として、東北、関東および沖縄県の高齢者60名に対して、機器の装着による実験を行った。すなわち、すでに楽しい会話により得られた副交感神経の機能の増加する状態と、就眠前の自律神経機能と夜間の睡眠の質を比較検討した。また、夜間の睡眠効率高群(睡眠効率80%以上)と低群を比較し関連要因を抽出した。その結果、夜間の睡眠の質が高い群は、睡眠前の1時間には副交感神経機能が増加していることがわかった。つまり、就眠1時間前に副交感神経機能を増加するケアの有用性が示唆された。このような結果から、ケアとして楽しい会話による満足感が副交感神経に関与していることも見出されていることから、楽しい会話の導入を検討する必要性が捉えられた。今後は介入研究として、意図的に午後からの楽しい会話を導入し、これを夜間に思い出したり関連付けて会話するなどのプランを検討していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
これまではナラティブ・ケアが睡眠に有効であることを仮説として、生理学的に評価してきた。具体的に就眠前1時間の自律神経機能の状態が捉えられ、夜間の睡眠の質と副交感神経機能の増加との関連も見出すことができた。したがって、おおむね順調といえる。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、介入研究を本格的に行い、睡眠の質に関与する実効性の高い会話の導入方法を検討したい。
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