研究課題/領域番号 |
23251005
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
重田 眞義 京都大学, アフリカ地域研究資料センター, 教授 (80215962)
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研究分担者 |
曽我 亨 弘前大学, 人文学部, 教授 (00263062)
金子 守恵 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 助教 (10402752)
松林 公蔵 京都大学, 東南アジア研究所, 教授 (70190494)
伊藤 義将 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 助教 (60638188)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 生業環境 / 共生教育 / 文化創造 / 国際研究者交流 / 在来知 / エチオピア / コミュニティ / 実践的地域研究 |
研究実績の概要 |
本研究は、アフリカにおける「新たなコミュニティ」像を求めて、学際的関心を持つエチオピアの研究者と実務者が加わり、組織的共同研究の円滑な運営を十分に配慮しておこなう総合的な地域研究プロジェクトである。平成26年度は以下のとおり研究を実施した。 [研究体制の推進]実施状況をふまえ4つの問題群(①環境-生業②保健-健康③教育-共生④文化-創造)と、それらを横断する3つの関心系(生成系、共有系、創造系)にそって集約的なフィールドワークをすすめると同時に、実践のフェーズにおける研究活動をすすめた。研究計画と現地調査予定について代表者が中心となって分担者および協力者がfacebookのグループ機能を活用して調整をおこなった。平成27年度にエチオピアにて開催する国際シンポジウム準備をおこなった。 [成果の発信]代表者と分担者・協力者が国内学会および国際学会において研究成果を発表した。日本アフリカ学会50周年記念大会においては、在来知研究セッションを企画してこれまでの成果を報告した。11月には在来知とコミュニティの参加型開発をめぐる国際ワークショップをJICAと共催したほか、エチオピアから招いた研究者を囲んでセミナーを開催した。2月には、ドイツ、イギリス、エチオピアから研究者と博物館関係者を京都に招いて国際シンポジウムにおいて、在来知とグローバル化および牛耕技術をめぐるセッションを企画主催した。昨年度に続きアウトリーチ活動として、一般向け公開講演会をおこなったほか、より実践的な地域研究を念頭においた成果展示を京都大学総合博物館において実施した。メンバーが国内外の学術雑誌に論文を投稿した。 [現地調査]問題群①②③④のそれぞれのメンバーは、新たなコミュニティのなかで在来知が共有される場面やそれに関わる諸関係(共有系)に注目して現地調査をおこない実践のフェーズ(創造系)における研究活動をすすめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
学会誌論文をはじめ国内外の学会・セミナーなど多種類の媒体を介して所期の成果を順調に公刊・発表することができた。昨年に引き続いて、国際シンポジウム企画(JICAとの共催)の成果をAfrican Study Monographs誌の特集号として公刊することにし、編集作業をすすめた(7月発行予定)。国内外における国際ワークショップ、セミナーの企画も当初の予定を上回る回数を開催することができた。地元研究者と市民社会との協働によって得られた実践的な地域研究の成果をもとに、より応用的な成果の社会実装をめざす企画が生まれつつある。昨年はエチオピアで開催した文化―創造の系の研究成果を、京都大学総合博物館において展示するとともに、ポスターセッションを組織、一般向けの講演会も実施して研究成果の社会還元をすすめることができた。本研究課題の研究成果をもとに作成された博士学位論文1本が提出され学位が授与された。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度の研究活動では、これまでの研究成果のとりまとめとして国際学会、国際ワークショップ、セミナーでの研究成果のより積極的な発信と和欧文による論文の公刊をおこなう。アフリカ在来知を主題とした一般向けの市販書の出版を企画する。学術雑誌ZAIRAICHIの発行を継続し、学界のみならず社会への成果還元を積極的にすすめていく。また、本研究課題の特徴でもある在来知を活用した実践的地域研究の成果を、より実践的な地域貢献の活動に結びつけていくために、本研究事業終了後の企画と準備をすすめていく。これまでと同様に研究プロジェクトへのインターンシップ受け入れも継続しておこなう。そのために、研究員の雇用とエチオピアへの長期派遣を継続し、あわせて研究計画終了後の成果の社会実装を可能にするような国際協力機関との連携を模索する。また、とりまとめの最終国際シンポジウムをアジスアベバ大学エチオピア研究所との共催によってエチオピアのアジスアベバで開催する。
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