研究課題/領域番号 |
23251023
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
栗田 和明 立教大学, 文学部, 教授 (10257157)
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研究分担者 |
三島 禎子 国立民族学博物館, 民族社会研究部, 准教授 (20280604)
杜 国慶 立教大学, 観光学部, 教授 (40350300)
市川 誠 立教大学, 文学部, 准教授 (60308088)
水上 徹男 立教大学, 社会学部, 教授 (70239226)
大橋 健一 立教大学, 観光学部, 教授 (70269281)
FARRER GRACIA 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (70436062)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 移民 / コミュニティ / 環太平洋地域 / 華人 / 文化人類学 / 頻繁な移動者 |
研究実績の概要 |
移民コミュニティの形成において1)中間団体の存在と、2)移住先にかならずしも定着しない頻繁な移動者の存在が重要であることが分かった。国家間、あるいは国家連合間でのマクロな議論になりがちな移民の動きに、実際にはおおきな影響力を与えているミクロな個人の事情、あるいは個人が集合する中間団体での調和とコンフリクトにも注目する必要があることを前者はあらためて示した。 後者は従来はほとんど注目されていなかった存在である。交易人は買い出し先の都市に数日~数週間しか滞在しないが、年間に複数回訪問している。彼らが立ち寄る都市には、レストラン、交易を助けるエージェント、美容室などがあり、同地域から来た者の結節点となりコミュニティが形成されている。結節点となる固定的に居住する人々については研究も進んでいる。一方、彼らよりも2桁も人数が多い人々が頻繁に移動しながらコミュニティを出入りしているにもかかわらず注目されていない。こうした頻繁な移動者(frequent traveler, FT)に注目することであらたな移民コミュニティ象を提示することができる。つまり、少数の固定メンバーと多数のFTからなり、メンバーはつねに入れ替わりながらも、その輪郭は明確な、一種の動的平衡を保った社会である。 上記のような理論的な枠組みへの提案だけでなく、個別の知見も蓄積が進んだ。具体的には、ベトナムからの移住先として、旧東側諸国も大きな目的地であったこと。ソニンケ人の商活動においては大規模化を目指す資本主義の論理とは異なる行動をとること。華人の国際的な移動において複数の要因の間で葛藤があること、などがそれぞれ報告されている。また時系列では、2008年の北京オリンピック、2010年の広州でのアジア大会、2006年のシドニーでのボーンアゲイン協会設立などがエポックとして注目できることも分かった。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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