研究課題/領域番号 |
23252007
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
櫻井 武司 一橋大学, 経済研究所, 教授 (40343769)
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研究分担者 |
加治佐 敬 政策研究大学, 大学院・政策研究科, 客員准教授 (50377131)
木島 陽子 筑波大学, システム情報工学研究科, 准教授 (70401718)
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キーワード | 海外学術調査 / サブサハラ・アフリカ / 稲作 / 緑の革命 / 貧困削減 / パネルデータ / 技術普及 / 垂直統合 |
研究概要 |
モザンビークで2つの調査を実施した。ひとつは、2007年に実施された灌漑水田地域の家計調査の再調査によるパネル化で、もうひとつは、2008年に実施された天水稲作地域の家計調査の再調査によるパネル化である。調査対象地における予備調査では、灌漑水田地域では、JICAが稲作技術トレーニングを実施した地域でコメの生産性の上昇が見られ、トレーニングを実施していない周辺の農家に技術の改善が波及しはじめていることが分かった。一方、天水稲作地域では、コメの小売価格の上昇に誘発されたコメ耕作面積の外延的拡大が生じており、コメの生産量が上昇していることが観察された。パネルデータは、これらの観察を厳密に検証することが目的であり、2012年中に着手する計画である。ウガンダでは2009年に実施された小規模灌漑稲作地帯の家計調査の再調査を行いパネルデータを作成した。同地域では、2009年から2011年の間にJICAが稲栽培技術の改善を目的とする技術展示を実施したため、それが稲作農家の生産性と所得向上に及ぼす効果を解明することが目的である。ただし、パネルデータの分析は2012年に行う。ナイジェリアの予備調査は治安悪化のため先延ばしとなったが、2012年5月と9月に実施できた。その結果、都市におけるコメ需要の高まりに対応して、大規模精米業者による契約栽培や直営灌漑水田の経営などの垂直統合の動きを見いだすことができた。そこで、垂直統合がその周辺にいる稲作農家の技術を向上させ、小規模精米業者の精米の品質を高める可能性を評価することを目的とした本調査を企画し、その実施にむけて準備を行った。さらに、ガーナ、セネガル、マダガスカルでは、それぞれ現地を訪問し、研究者との意見交換や予備的聞き取りを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
サブサハラ・アフリカの各地でパネルデータの作成が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
パネルデータの構築は順調に進捗しているので、今後は分析と論文への取りまとめに力を入れる必要がある。研究計画を変更する必要は認めないものの、膨大なデータを整理し、さらに論文執筆を進めるためには研究補助者や研究協力者の増員が必要となると考えられる。
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