研究課題/領域番号 |
23252009
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研究機関 | 関東学院大学 |
研究代表者 |
清 ショウ一郎 関東学院大学, 経済学部, 教授 (80171312)
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研究分担者 |
小林 英夫 早稲田大学, アジア太平洋研究科, 教授 (80052546)
黒瀬 直宏 嘉悦大学, ビジネス創造学部, 教授 (90288572)
中山 健一郎 札幌大学, 経営学部, 教授 (50285227)
兼村 智也 松本大学, 総合経営学部, 准教授 (70367548)
遠山 恭司 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 准教授 (20270233)
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キーワード | 自動車産業 / 自動車用資材・部品産業 / 製品開発 / 生産技術 / 日本的生産方式 / 技術移転 / 中小企業(製造業) / 産業の空洞化 |
研究概要 |
本研究は、平成23年11月に追加認定されたものであり、今年度の事業については23年12月から24年3月までの4か月間に急遽体制を構築することを余儀なくされた。今年度の実施した事業は概略以下のとおりであり、プロジェクトの準備が中心で、成果はごく限られている。11月末にメンバーを再構築したのち、12月26-27日に合宿研究会を開催し、今年度の取り組みを以下の3点に絞り込んだ。 第一に、日本国内の自動車を中心とする製造業2次・3次サプライヤーの事態調査(アンケート及びヒアリング)については平成24年度の実施を目標とし、その準備として平成24年1月7日および3月27日に東京大学MMRCにおいて研究会を開催し、アンケート調査票についての意見交換を実施した。この調査票検討は24年6-7月まではかかると思われるが、並行して各地域別の調査対象企業の選定、具体的な調査実施方法について、資料・情報収集を開始した。 第二に、国際比較研究のための海外企業調査については、ドイツ4名、フランス2名、イタリア・スペイン1名、アメリカ2名、韓国3名、中国3名、インド9名の延べ24名を派遣し、それぞれ当該地域における自動車産業・サプライヤー産業の実態調査を実施した。調査結果は現在取りまとめているところであるが、先進各国企業の中国・インド等新興国における活動の特徴点が既に報告されており、特に深層現調化(ネット現調化)という用語に象徴される資材・部品の現地調達と、これを支える第三国間ネットワークの形成が特に重要な分析対象となることが推察され、今後の研究方針の一つの柱が明確となった。 第三は、平成24年3月7日に実施した国際会議である。会議は国際的なネットワーク形成という点ではスタートアップ会議的な性格を持っており、会議に先立ってドイツのIMO研究所、スイスのETH研究所、フランスのGerpisaなどとの連携を図られた。また当日の会議は、ミュンヘン大学の他、ホンダ・デンソーなどの企業からの参加を得て活発な討論が展開され、その報告資料集が作成された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画は平成24年度始めからの取り組みになるはずであったが、追加認定が11月であったため、大幅に遅れて立ち上げることとなった。しかしこの間、予算の裏付けのないまま東京大学MMRC、早稲田大学日本自動車産業研究所と共同で立ち上げた自動車サプライヤー研究会で研究会および国内産業基盤調査の枠組みについての検討を進めており、その成果をそのまま生かしてプロジェクトの立ち上げに結びつけた。そのため、当初計画とそれほど大きなギャップはなくプロジェクトは進展した。海外調査については約半年の遅れがあるが、立ち上げに十分な程度には調査を実施し、その成果は現在取りまとめられている。国際会議は日程上の問題で海外からの参加人数は限られたが、各研究機関・研究者との意思疎通は順調に行われ、今後の研究体制の基礎は固められた。
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今後の研究の推進方策 |
第一に、平成24年度には国内2次・3次サプライヤーに焦点を当てたアンケート調査を実施し、その分析を行う。また並行してインタビュー調査を実施し、現状と問題点の分析、その中での発展モデルの析出を試みる。各地域ごとの分析は、地域別調査研究グループの形成を追求する中で実施する。第二に、海外企業調査については、現下のグローバル化の実情を鑑みて、第三国間ネットワークの形成を視野に入れつつ、新興国に対する先進国企業の技術移転の比較研究を実施する。また欧米日先進国企業については、技術移転における契約の在り方、契約における限定条項など、具体的な内容の比較検討を実施する、第三に、国際会議については、予算上の制約があって大規模なものは望めないが、他のプロジェクトの連携を図り、平成25年3月の実施を目指して具体化を図る。
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