研究課題/領域番号 |
23252010
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
黒田 学 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (10293581)
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研究分担者 |
窪島 務 滋賀大学, 教育学部, 教授 (00111906)
荒木 穂積 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (00123480)
小西 文子 大垣女子短期大学, 音楽総合科, 准教授 (00369521)
小西 豊 岐阜大学, 地域科学部, 講師 (10303489)
向井 啓二 種智院大学, 人文学部, 教授 (20319453)
VALLS ・C Lluis 京都外国語大学, 外国語学部, 准教授 (50411210)
平沼 博将 大阪電気通信大学, 工学部, 准教授 (70333268)
武分 祥子 飯田女子短期大学, 看護学科, 教授 (30442156)
岡花 祈一郎 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (50512555)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 社会学 / 社会福祉関係 / 教育学 / 特別ニーズ教育 / イタリア / ドイツ / スペイン / ロシア |
研究概要 |
本研究は、「特別なニーズをもつ子どもへの教育・社会開発に関する比較研究」をテーマとして、特別なニーズをもつ子ども(とりわけ知的障害を中心とする障害児)への教育および社会開発(福祉、医療、就労、社会参加)の動向と課題について、先進国と発展途 上国(新興市場国含め)という「社会開発パラダイム」、アジア、ユーラシア・東欧、ラテンアメリカという「地域パラダイム」から、それぞれ調査を行い、比較検討することを目的としている。 平成25年度は、A:社会開発パラダイム研究会、B:地域パラダイム研究会の2つの研究会合同の「合同研究会」を計5回開催した。そこでは、年次計画に従って、「本調査④」(イタリア)および「補足調査①②」(ドイツ、スペイン、ロシア)を進めるための準備(調査票の作成等)を行うと共に、調査結果についての意見交換を行った。研究内容については、特別なニーズをもつ子どもへの教育および社会開発について、具体的には、子どものライフステージにしたがって、障害の早期発見・診断、就学、移行支援(進路、就労)等とした。障害児分野の教育、福祉、医療等に関する統計資料および先行研究のレビューも並行して取り組んだ。またA.B.研究会の下部研究会であるワーキンググループを開催し、相互に研究報告を行った。「本調査④」は、研究協力者の同行を求め、「補足調査①②」は、対象国の関係行政機関、学校・施設等をそれぞれ訪問調査した。アジア及びラテンアメリカについては、調査を実施せず、対象国に関する情報収集を行った。 研究成果の一部還元として、12月に、ロシアから2名の研究者を招聘し、国際セミナー「ロシアの障害児教育・インクルーシブ教育とヴィゴツキー理論」および公開研究会「インクルーシブ教育の国際的動向と課題」を開催した。研究成果については、研究紀要等への論文掲載、学会・研究会(国内外)での発表を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画に従って、本調査④(イタリア)を実施し、他方で補足調査①②(ドイツ、スペイン、ロシア)を1年前倒しで現地調査を実施した。ただし本調査⑤のアジアおよびラテンアメリカについては、対象国の情報収集を行うに留め、次年度に実施可能なように準備を進めた。 平成25年度の合同研究会は計5回開催し、調査の準備と研究成果に対する相互の分析と考察に加え、ゲストスピーカによる研究報告に基づいて研究課題に関わる情報収集を行った。先行研究の分析と考察、調査結果の検討と意見交流を活発に行うことで、研究分担者、研究協力者の共通認識を図り、研究論文作成へとつなげた。 また、申請当初の研究計画に予定していなかったが、ロシアから2名の研究者を招聘し、国際セミナーおよび公開研究会を開催し、研究成果の一部還元を図った。その他、研究成果については、研究紀要等への論文掲載、学会発表等を行った。また、研究課題に関するホームページを開設した(https://sites.google.com/site/snesd20112015/home)。 申請当初の研究計画を一部変更しつつも、以上の諸点から現在までの研究達成度はおおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画に従って、平成26年度は、本調査⑤(ネパール、ポーランド、チリ等)を実施するとともに、合同研究会の回数を当初予定の1回から5回程度に増やす予定である。また、各ワーキンググループの研究会開催についても適宜行う。 さらに研究計画申請当初に予定していなかった国際学術シンポジウムを研究対象国(スペイン、メキシコ、キューバ)の研究者を招聘し、12月に開催予定である。補足調査②についても実施の方向で進めたい。 また、研究計画申請当初に予定していなかったが、研究成果の一部還元として研究叢書の発行を準備したい。平成26年度、27年度は、5カ年の研究計画の後半に位置するため、研究成果のとりまとめを視野に入れ研究活動を旺盛に進め、研究紀要、学会報告等を引き続き実施したい。 研究遂行上での問題点は、訪問国やカウンターパートの協力を得るために、事前のアポイントメントおよびコーディネートに相当な時間を要する場合(交渉の困難さ)があり、昨年度・平成25年度はアジアおよびラテンアメリカでの現地調査を行わず、対象国の情報収集に努めた。各国の体制や政治事情の違いが反映しているので、その対応策として、あくまでもカウンターパートの意思を尊重し、無理のない協力要請と調査の実施に努めたい。
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