研究概要 |
本年度では,当初の計画通りに順調に進んでおり,1)文献の収集とレビュー;2)高解像度(0.5-1m)の衛星画像の解析;3)四川大地震の地震断層の北部と南部セグメンントの調査;4)四川大地震の地震断層の全体の破壊域の解明,などの研究を行ってきた.また,本研究と関連して,2011年東北地震の津波分布と断層変位との関係などの研究も行った. 主に下記のような研究成果が得られている: 1)2008年四川大地震により断層面で生じたいわゆる「地震の化石」:脈状カタクラスデック断層岩を発見した.この成果をGEOLOGYという学術雑誌に公表している(論文成果1). 2)2010年玉樹地震を引き起こしたGangzhi-Yusu活断層では,マグニクード7-8の大地震が450-680年の周期で発生することを明らかにした(成果論文3). 2)2010年玉樹地震の地震断層の幾何形態と変位量分布および長さなどを明らかにした.また,地表地震断層のRiedel剪断構造と既存の活断層との関係を明らかにした.これらの研究成果は3編の国際雑誌に公表している(成果論文2と4,5). 3)本研究と関連して,衛星画像と現地調査により,2011年東北地震の津波分布と遡上高などを明らかにした(成果論文6). 4)本研究の横ずれ断層と関連して,2001にマグニクード7.8昆崙地震を引き起こした昆崙地震断層の剪断帯構造・分布などを明らかにした(成果論文7)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では,当初の計画通りに順調に進んでおり,1)文献の収集とレビュー;2)高解像度(0.5-1m)の衛星画像の解析;3)四川大地震の地震断層の北部と南部セグメンントの調査;4)四川大地震の地震断層の全体の破壊域の解明,などの研究を行ってきた.また,本研究と関連して,2011年東北地震の津波分布と断層変位との関係などの研究も行った.すでに一部の成果を国際学術雑誌に公表している.
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今後の研究の推進方策 |
1)前年度に引き続き,調査地域の南部に位置する南北走向を持つ総延長700kmの安寧河-小江断層とそれと直交する鮮水河断層帯の画像解析を行った上で現地調査を行う.横ずれ断層である鮮水河断層帯沿いの水系の屈曲などの変動地形と地質構造との関係を解析する. (2)野外調査の結果に基づいて,数地点でトレンチ掘削調査を実施する.これらのトレンチで,^<14>C年代測定用の試料を採集・年代測定を行って,古地震と活動履歴の解析を行う. (3)調査結果に基づいて甘牧-玉樹断層と鮮水河断層帯のセグメント区分とセグメント間の応力計算・数値シミュレーションを行う.
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