研究課題/領域番号 |
23253002
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 愛明 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90283861)
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研究分担者 |
狩野 謙一 静岡大学, 理学部, 教授 (30090517)
遠田 晋次 東北大学, その他部局等, 教授 (80313047)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 活断層 / セグメント区分 / 断層相互作用 / 内陸大地震 / ベット高原 / 地震断層 / 断層破壊メカニズム / 地震断層岩 |
研究概要 |
本年度では,当初の計画通りに順調に進んでおり,1)龍門山断層帯北東セグメントの現地調査及びトレンチ掘削調査;2)高解像度(0.5-1m)の衛星画像の解析により、甘牧―玉樹断層帯の水系解析;3)四川大地震の地震断層の南西部セグメンントの調査,などの研究を行ってきた;4)また,本研究と関連して,2011年東北地震と関連したいわき地震断層、有馬―高槻構造線、糸魚川―高槻構造線活断層系の地震断層岩の調査研究をおこなった;5)2011年東北地震の津波溯上高の分布とシミュレーションをおこなった;6)地震断層の高速摩擦により蛇紋岩の脱水作用を実証するため、高速摩擦実験をおこなった。 主に下記のような研究成果が得られている: 1)2008年四川大地震南西セグメントの完新世の活動性を明らかにした(論文成果1);2)2011年いわき地震断層, 有馬―高槻構造線、糸魚川―高槻構造線活断層系に発達した脈状地震に発達した脈状地震断層岩を発見した。これは、これらの活断層は最近の地質時期に繰り返し大地震を引き起こしていることを示している(論文成果2-4);3)2011年東北地震の津波の溯上高の分布は震源断層の断層変位により制約されることを明らかにした(論文成果5);4)調査地域の南西部に位置する南北走向を持つ総延長1000kmの横ずれ断層である鮮水河断層帯沿いの水系の系統的な屈曲、長江水系は最大で65km左横ずれしたことを明らかにした(学会発表5);5)沈み込み帯の地震により蛇紋岩の脱水作用が起きることを高速摩擦実験で実証した(論文成果6)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では,当初の計画通りに順調に進んでおり,1)四川大地震の地震断層の南西部と北東部の野外・トレンチ調査;2)高解像度(0.5-1m)の衛星画像により研究地域の南西部に位置する甘牧―玉樹断層と鮮水河活断層帯の水系の屈曲変形の解析;3)四川大地震の地震断層の全体の破壊域の解明,などの研究を行ってきた。また,本研究と関連して,2011年東北地震の津波分布と断層変位との関係などの研究も行った。すでに一部の成果を6編の論文として国際学術雑誌に公表している。本研究は予定通りにほぼ半分の目的を達成している。
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今後の研究の推進方策 |
(1)前年度に引き続き,調査地域の南西部に位置する南北走向を持つ総延長1000kmの横ずれ断層である鮮水河断層帯沿いの水系の屈曲などの変動地形と地質構造との関係および断層の活動性を解明する。 (2)龍門山断層帯の南部セグメントの雅安地域で、2013年マグニチュード7.0四川省雅安地震が発生したため、今年度、この地震の被害調査および震源断層と関連した活断層の解析と野外調査を行う予定。 (3)野外調査の結果に基づいて,数地点でトレンチ掘削調査を実施する.これらのトレンチで,14C年代測定用の試料を採集・年代測定を行って,古地震と活動履歴の解析を行う。 (4)野外調査と解析の結果に基づいて、北東ー南西走向の龍門山断層帯と北西ー南東走向の甘牧―玉樹断層と鮮水河断層帯のセグメント区分とセグメント間の応力計算・数値シミュレーションを行う。
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