研究課題/領域番号 |
23253002
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
林 愛明 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (90283861)
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研究分担者 |
遠田 晋次 東北大学, 学内共同利用施設等, 教授 (80313047)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 活断層 / セグメント区分 / 断層相互作用 / 内陸大地震 / チベット高原 / 地震断層 / 断層破壊メカニズム / 地震活動性 |
研究概要 |
本年度では,当初の計画通りに順調に進んでおり,1)龍門山断層帯北東セグメントである青川断層の現地調査及びトレンチ掘削調査;2)龍門山断層と斜交する鮮水河断層(甘牧―玉樹断層帯)の系統的水系変位の解析;3)四川大地震の地震断層の南西部セグメンントと2013Mw6.6雅安(Lushan)地震との関連研究を行ってきた;5) 鮮水河断層構造と断層間相互作用のシミュレーションを行った;4)また,本研究と関連して,中国北東部に分布する長大活断層―Tan-Lu断層およびプレート境界としての富士川河口断層帯の最近の活動性と分布特徴を明らかにした;有馬―高槻構造線、糸魚川―高槻構造線活断層系の地震断層岩の調査研究をおこなった. 本年度において、主に下記のような研究成果が得られて、学術雑誌に公表している: 1)2008年四川大地震の震源断層の南西部で発生した2013Mw6.6雅安(Lushan)地震の震源断層構造を明らかにした(論文成果1);2)2008年四川大地震の震源断層の南西セグメントの変動地形と地下構造との関係を明らかにした(論文成果2);3)有馬―高槻構造線活断層帯の破砕帯構造と分布幅などを解明した(論文成果3):4)富士川河口断層帯の最近の活動性と大地震再来周期などを明らかにした(論文成果4);5)古地震と活断層の比較研究に関連して、中国銀川盆地で発生した1739年M8地震の震源断層を明らかにした(論文成果5);6)中国北東部の長大活断層であるTan-Lu断層の水系変位の特徴を解析し、この断層の中央部セグメントであるYishu断層は縦ずれ活断層であることを明らかにした(論文成果6).
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では,本研究プロジェクトの調査・研究は当初の計画通り順調に進んでおり,主に、1)四川大地震の地震断層の北東部の野外・トレンチ調査;2)北東セグメントである青川断層沿いの水系の系統的な屈曲の解析を行った;3)断層の相互作用の数値シミュレーションの初歩的な解析を行った;4)四川大地震の地震断層の全体の破壊域の解明,などの研究を行ってきた.さらに,本プロジェクトの研究と関連して,2013年4月に発生した淡路島地震の震源断層の調査・解析、有馬―高槻構造線の活断層破砕帯および富士川河口断層帯の活動性と古地震の再来周期などの研究も行った.本年度で、本研究プロジェクトに関連した研究成果を6編の論文として国際学術雑誌に公表している.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの調査・研究の成果を踏まえて、今後、下記の計画で研究を推進していく:(1)これまでの調査・数値シミュレーションのデータ解析・整理を行って,一部の補足野外調査とトレンチ掘削を行う. (2)数値シミュレーションの結果と断層境界条件などを検討し,活断層間または長大活断層のセグメント間の相互作用メカニズムを解明する. (3)本研究の成果をまとめて,国内外の学会へ発表するとともに,報告書を作成し,学術雑誌へ投稿する. (4)今後、本研究の成果を生かして、内陸大地震の破壊メカニズムと活断層の活動性および活断層破砕帯との関連性の総合的な研究を行っていく.
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