研究課題/領域番号 |
23253003
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
三浦 哲 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (70181849)
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研究分担者 |
佐藤 忠弘 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 客員研究者 (10000176)
藤本 博己 東北大学, 災害科学国際研究所, 産学連携研究員 (50107455)
太田 雄策 東北大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (50451513)
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研究期間 (年度) |
2011-11-18 – 2016-03-31
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キーワード | 地殻荷重変形 / GPS / 後氷期隆起 / 絶対重力 / 粘弾性構造 |
研究概要 |
5月から6月にかけての約3 週間,研究代表者(三浦)と研究協力者(京都大学理学研究科研究員・早河秀章)が研究対象領域である米国アラスカ州のグレーシャーベイに赴き,先行研究で既に設置した観測点において絶対重力測定を実施した.また平成23年度にアラスカ大学サウスイースト校内に設置したモニタリング用重力計の保守を行い,正常に稼働し順調にデータ収録が行われていることを確認した.これまでに蓄積されたデータを用いて潮汐解析を行い,重力計が仕様通り正常に動作していることを確認した.また,気圧応答やドリフトレートについても調査を行った. 三浦は連携研究者らと協力して,先行研究以来得られているGPS 連続観測データの観測点座標時系列について,粒子フィルター法など最新の統計学的手法の応用による季節変動除去法について検討を行った.実際に収集されたGPS 連続観測データの観測点座標時系列も加えて,季節変動除去を実施し経年変化率を求めた. 研究分担者(太田)は,これまでに収集されている研究対象領域の衛星搭載合成開口レーダーによる観測データを収集し,DEMの時間的変化から氷河消長に関する情報を抽出する試みを行った. 研究分担者(佐藤)は,これまでに得られている絶対重力測定によって明らかにされた経年的な絶対重力の減少及びGPS連続観測データによる地殻隆起の時空間的変化に基づいて,研究対象領域直下の粘弾性構造モデルについて再検討を行い,圧縮率も考慮した上で詳細な地殻・マントル構造の推定を試みた.問題点を洗い出して改良すべき点などについて検討して,論文執筆を開始した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度に計画した絶対重力測定は,予定していた全ての観測点において良好なデータを取得できた. また,研究対象地域におけるGlacier Isostatic Adjustment (GIA)に対する圧縮率の影響を精査し,論文にまとめて国際誌に投稿した.
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題で設置した重力及びGPS連続観測を継続し,アラスカの山岳氷河の後退に伴う重力減少,地殻隆起減少を高精度で観測することにより,長期間の変動率の信頼性の向上に努める.具体的には,GPS連続観測データの観測点座標時系列につ季節変動除去法について検討を開始する.実際に季節変動除去を実施し経年変化率を求める.また,粒子フィルター法など最新の統計学的手法の応用による季節変動除去について検討を行う.
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