研究課題/領域番号 |
23253005
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研究種目 |
基盤研究(A)
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応募区分 | 海外学術 |
研究機関 | 独立行政法人海洋研究開発機構 |
研究代表者 |
小平 秀一 独立行政法人海洋研究開発機構, 地球内部ダイナミクス領域, プログラムディレクター (80250421)
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キーワード | 地震観測 / カスカディア地震発生帯 / 沈み込み帯 / スローな地震 / 海洋地殻 |
研究概要 |
本申請の調査領域における地震活動を把握するため、本申請のFSとしてカナダ・バンクーバー島沖において、平成22年6月下旬から約3ヵ月間行った短期地震観測のデータ解析を進めた。その結果、観測領域北側のNootka fault zoneに集中した地震活動を確認するとともに、海溝域周辺から沈む込む前の海洋プレート内では、地震活動は低いものの観測可能な微小地震活動があることを確認した。また、「スローな地震」の発生の有無の確認を進めているが、現在のところ3か月間の観測データからは「スローな地震」は確認されていない。 これらのデータの解釈等を、カナダ地質調査所に滞在し、その成果を速報としてまとめて米国地球物理学会誌EOS(Schewarth et al.,2011)にて発表した。現在もSF観測データの精査を進めており、本観測の観測計画立案に向けて詳細な地震活動の把握、及び「スローな地震」の有無の確認を進めている。 当初計画ではFSの成果をもとに、H24年度実施の観測計画をH23年度中に決定する予定であったが、上述のようにデータの精査が終了していないため、最終的な観測計画はH24年度前半にカナダ地質調査所にて打ち合わせを持ち、そこで決定することとした。 また、本観測に実施に向けて海洋研究開発機構所有の海底地震計を長期観測型への改良を進めていたが、東北地方太平洋沖地震の余震観測等に多くの海底地震計が投入されたため、長期型に改良した海底地震計の信頼性評価が予定より遅れており、現在も評価を実施中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
FSのデータの精査に時間を要しており、本観測の最終案の決定がH24年度前半となっている。また、海洋研究開発機構所有の海底地震計の長期化への改良、およびその性能評価が終了していない。
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今後の研究の推進方策 |
海洋研究開発機構所有の海底地震計の長期化への改良、および性能評価の進捗を見て、場合によっては本観測の実施を1年延期する可能性も検討する必要がある。
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